やっぱりいるんだ!太陽系外惑星に生命が存在する可能性を示す新研究

space 2019/04/18
Credit: IAU/L. Calçada
Point
■赤色矮星プロキシマ・ケンタウリを公転するプロキシマ・ケンタウリbの発見以降、その生命居住可能性に関する研究が重ねられてきた
■初期地球には、赤色矮性を公転する惑星よりも多くの紫外線が到達していたことが判明
■初期地球にさえ生命が存在したことから、プロキシマ・ケンタウリbを含む惑星の生命居住可能性を導き出した

いる…いない…やっぱりいる?

2016年8月、ヨーロッパ南天天文台は、太陽に最も近い恒星として知られる赤色矮星プロキシマ・ケンタウリを公転する太陽系外惑星「プロキシマ・ケンタウリb」を発見しました。

それは太陽系の岩石惑星に似ているだけでなく、赤色矮星のハビタブルゾーン(生命居住可能領域)に位置していることから、多くの天文学者が「太陽系の外にも生命が存在するかもしれない!」と大興奮しました。

それ以降、プロキシマ・ケンタウリbの生命居住可能性を探る研究が重ねられてきましたが、残念ながらそれらの多くは、その可能性が低いことを示してきました。それは、プロキシマ・ケンタウリbが環境の変動が激しいプロキシマ・ケンタウリの影響を強く受けており、生命にとってかなり過酷な環境を持つからです。

そんな中、米コーネル大学Carl Sagan Instituteの研究チームが、これまでの暗い見通しに一筋の光をもたらす説を発表しました。赤色矮性を公転する複数の惑星と初期地球のの紫外線変動を比較することで、プロキシマ・ケンタウリbに生命が存在してもおかしくないことを示したのです。論文は「Monthly Notices of the Royal Astronomical Society」に掲載されています。

Lessons from early Earth: UV surface radiation should not limit the habitability of active M star systems
https://academic.oup.com/mnras/article/485/4/5598/5426502?searchresult=1

紫外線は初期地球より少ない ということは…!

プロキシマ・ケンタウリbの地表のイメージ図 / Credit: ESO

質量が小さく、寿命が数兆年にも及ぶ赤色矮星は、宇宙でもっともありふれた恒星で、天の川系では85パーセントを占めています。また、その周囲には岩石惑星が公転していることが多いことも特徴の1つです。

その一方、赤色矮星は変動しやすく不安定な環境を持ちます。活発なフレア活動を起こすことで、生命にとって脅威となる可能性のあるレベルの放射線が、周囲の惑星に降り注ぎます。X線放射と荷電粒子の攻撃を浴びた惑星では、表面の大気が剥ぎ取られる危険が生じます。生命にとって不利な条件であることは確かですが、そこで鍵になるのが、惑星の大気の密度と構成、そして磁場を持つかどうかです。

研究チームは、およそ40億年前の地球の環境がどのようなものだったかを検討しました。その頃の地球は、生命にとっては不利な環境でした。火山活動や有毒な大気に加えて、地上には、赤色矮星を公転する現在の惑星と同じように、大量の紫外線が降り注いでいました。

赤色矮星を公転するトラピスト1eのイメージ図 / Credit: ESO

また研究チームは、生命が存在する可能性のある惑星の候補であるプロキシマ・ケンタウリb、トラピスト1e、ロス128b、LHS 1140bという4つの惑星の表面の紫外線環境をモデリングしました。

その結果、現在の地球に似た環境の惑星もあれば、大気が侵食され無酸素状態に陥っている惑星もあることが明らかになりました。後者はオゾン層を持たず、紫外線放射をブロックすることができません。大気の層が薄くなり、オゾン濃度が下がると、高エネルギーの紫外線が地上に到達しやすくなります。

さらに、4つの惑星の紫外線レベルはどれも、初期地球より低いことも判明。これは、もっとも激しい活動を示す赤色矮星を公転する惑星を含めての話です。大量の紫外線が地上に届いていた初期地球にさえ生命が存在したのですから、赤色矮星を公転する惑星に生命が存在したとしてもまったく不思議ではありません。

地球を知ることは宇宙を知ること

特に、プロキシマ・ケンタウリの年齢が太陽をおよそ2億年上回る4兆8,530億年であることを考えれば、プロキシマ・ケンタウリbの生命居住可能はさらに興味深いものになります。

Credit: pixabay

地球上に最初の生物形態が出現したのは、地球誕生の約10億年後(およそ35億年前)だと考えれています。プロキシマ・ケンタウリの誕生直後に、原始惑星同士の衝突が生んだ破片円盤によってプロキシマ・ケンタウリbが形成されたと仮定すると、生命が生まれ地上に根付くまでに十分な時間があったとことになります。

生命とはいっても、単細胞の原核生物に過ぎなかったかもしれません。でも、太陽系の外にも生命が存在する可能性を示すだけでなく、どのような生命の痕跡を調べるべきかについてのヒントを与えてくれるという意味で、その意義は計り知れません。

宇宙における生命の探求は、常に地球の研究から始まります。なぜなら、生命が居住できる惑星として私たちが現時点で把握しているのは地球だけだからです。このため、地球の生命の歴史の中で、生命がどのようにして(どのような条件下で)、生存し、栄え、環境の変化に反応してきたかを知ることはとても重要なんですね。

 

「存在する・しない」の論議はまだまだ続きそうですが、私たちのホームである地球の変遷を探ることで、はるか彼方の異世界の様相が少しずつ明らかになりつつあります。

天の川銀河に「存在しないはずの星」が発見される

reference: sciencealert / translated & text by まりえってぃ

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