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土星の衛星タイタンには地球と同じような湖があった

space 2019/04/21
Image credit: NASA/JPL-Caltech/Univ. Arizona/Univ. Idaho
Point
■土星の衛星タイタンには、液体の循環システムがあることが分かっていたが、大気によって地表を観測するのは難しかった
■土星探査機カッシーニにはタイタンの地表を探索するためのRADARと呼ばれる装置が搭載されており、フライバイの際に観測をおこなっている
■タイタンの北極に湖があり、それが深くてメタンを主とするもので南半球に存在する湖と異なることがわかる

土星には64個もの衛星がありますが、その中でも最大のものが、巨人の名を冠したタイタンです。

月の1.48倍の半径を持ち、水星よりも大きなこの衛星は、珍しいことに大気をもっています。そのため、直接その表面を調べることは難しいことでした。土星探査機であるカッシーニには、タイタンの地形を観測するための専用機器、RADARが積まれています。また、太陽系の天体では珍しく、液状の物質が循環していることも分かっています。

土星に接近するカッシーニのイメージ / Credit: NASA/JPL

2017年にカッシーニがフライバイした際のデータを解析することで、土星最大の月であるタイタンが地球で見られるような湖に覆われていることがわかりました。そして、南と北に存在する湖の構成に違いがあることがわかったのです。

地球上の湖同様、かつて液体を排出していた湖の中には堆積物で埋められたものもあります。つまり浅いのです。それによって、長らく唱えられていたタイタンに関する仮説を証明する形となりました。しかし、地球の湖とは明らかに違う点があります。タイタンの湖を満たしているのは、水ではなく、液状の炭化水素であり、メタンやエタンなのです。

見つかったのは、深くて数キロの大きさのある湖でした。このことから、タイタンの地質の性質に関する重要な洞察が得られただけでなく、北極と南半球の湖がどのように異なっているかもわかりました。それは、地球の北極の真上から見下ろすことで、北アメリカの湖や川などの分布がアジアのものと完全に異なっていることがわかるようなものです。

具体的には、北の湖を満たしているのは、メタンが主になった液体であり、南にあるオントリオ湖はエタンが主となっています。主要な構成物がわかったことで、湖の成り立ちについての洞察も得られました。

科学者たちの仮説によると、このタイタンの湖の形成は地球上で水が石灰岩の地盤を溶かして作る方法に非常に似通っているといいます。ただ、液体が溶かす岩盤が、氷と固形の有機物からなっている点では異なっているのです。

 

カッシーニはタイタンで有終の美を飾りました。それは実際、偉業であったといえるのではないでしょうか。

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reference: Futurism / written by SENPAI

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