ダイエッターの夢「マイナスカロリー食材」の存在が研究で全否定される

life 2019/04/20
Credit: pixabay
Point
■セロリやキュウリなどの食材を、消化の際のカロリー消費が摂取カロリーを上回る「マイナスカロリー食材」と信じる人々がいる
■その真偽を確かめる研究がトカゲを用いておこなわれ、マイナスカロリー食材の存在が否定される結果となった
■実験の中でセロリを食したトカゲは、カロリーの約1/4を体内に残していた

食べれば食べるほどに痩せていくーー。

ダイエッターにとっては夢のような「マイナスカロリー食材」の存在は、数年前からまことしやかにささやかれていた。

しかし、そんな夢を打ち砕く研究が発表された。研究によって、奇跡の食材はファンタジーでしかないことが証明されたのだ。アラバマ大学の生物科学者らによっておこなわれたこの研究は、査読こそ経ていないものの、先月「bioRxiv」にて公開されている。

Negative calorie foods: An empirical examination of what is fact or fiction

https://www.biorxiv.org/content/10.1101/586958v1.full

カロリーの1/4が体内に蓄積

セロリ、レタス、グレープフルーツ、キュウリにブロッコリー…これらはすべて、多くのダイエッターによって、ブログや本などで「マイナスカロリー食材」として紹介されたことがあるものだ。

そこで語られる理屈は次のようなものとなる。そうした食材は極めてカロリーが低く、食物繊維が豊富であるといった特徴を持っている。そのため、食材が消化されるためには、摂取されたエネルギーよりも多くのエネルギーが必要とされるというのだ。

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実験では、中でも代表格の「セロリ」が用いられた。トカゲに対してセロリを与えてカロリー計算をしてみたところ、セロリに含まれるカロリーのうちおよそ1/4(24%)が体内に蓄積されていたことが分かった。そして残りの3/4(76%)が、消化(33%)や排泄(43%)によって消費されていたのだ。

もともと、多くの医者や栄養士はこの「マイナスカロリー」といった概念に懐疑的だった。彼らは、たとえ少量だったとしてもすべての食材にはカロリーが含まれていると考えているのだ。

オイシイ話にご用心

しかし、これまでその考えを実験によって証明しようとした研究はほとんどなかった。あるいは研究に落とし込むのもバカらしいと思われていたのかもしれないが、今回の研究はそうした観点からも意味を持つものといえよう。

今回実験に使われたトカゲは「アゴヒゲトカゲ属」に属するものであり、それほど人間と進化の過程の系統樹が近いわけではないが、両者ともに雑食動物であり、消化管や消化のプロセスが似通っているといった共通点もある。

Credit: dhobern

この研究では、たった1種の生き物に1種の食材しか与えられていないが、研究者らが立てた仮説によれば、人間がセロリだけでなく、ブロッコリーやキュウリなどのマイナスカロリー食材とされるものを複数食べたとしても、およそ1/4のカロリーが体内に残ることは変わらないようだ。

 

毎年のように生み出される「新たなダイエット法」だが、その事実自体が、ダイエットに成功している人がわずかであることを証明している。食欲を満たせば満たすだけ痩せられるーー。そんな恐ろしくオイシイ話がこの世に存在するわけがないのだ。

万物の「一体性」を信じる人ほど人生の満足度が高い

reference: livescience / written by なかしー

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