【ついに】暗黒物質を観測できる時代が来る!? シカゴ大学のLHCが超絶レベルアップ

space 2019/04/23
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Point
■LHCを用いて暗黒物質を直接観測するための新たな方法が考案される
■暗黒物質の中でも重く速度の遅いものはヒッグス粒子と何らかの形で結びついていると考えられていて、この方法ではLHCを使ってそうした暗黒物質を他の物質から分離する
■現在LHCはアップグレードのため利用不可能なので、再稼働する2021年まで待たなければならない

暗黒物質をつかまえちゃう計画があるらしい。

宇宙科学者たちにとって、未だに大きな謎とされているのが「暗黒物質」の存在だ。

暗黒物質は、宇宙における全物質のおよそ26.8%を占め、68.3%が未知の暗黒エネルギーとされている。しかし、未だかつて誰もその暗黒物質を直接に見たことがない。

重力の反応などで間接的には「あるだろう」とされてきた暗黒物質だが、シカゴ大学の研究者らがついに大型ハドロン衝突型加速器(LHC)を使って暗黒物質を捕獲し、直接観測できる方法を考案したかもしれないのだ。

今度こそ本当にいける…のか?

Enhancing Long-Lived Particles Searches at the LHC with Precision Timing Information

https://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.122.131801

ヒッグス粒子がカギとなる

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実は暗黒物質といってもいろいろな種類があって、その中でも重くて速度が遅く、通常の物質と相互作用するものがあるらしい。そしてそのような暗黒物質は寿命が比較的長く、1/10秒に及ぶものもあるという。

研究をおこなったLian-Tao Wang物理学教授によれば、前述のような特別な暗黒物質は、何らかの形でヒッグス粒子に結びついているんだとか。物質に質量を与えた起源とされるヒッグス粒子だが、このヒッグス粒子が減衰すると寿命の長い暗黒物質へと変化している可能性も浮上している。

つまり、ヒッグス粒子が「ダーク・ワールドへの扉」を開くカギかもしれないのだ。

さて、観測に可動させるLHCだが、その中では毎秒数十億もの物質の衝突が起こっている。そんなマシンの中でどのようにして暗黒物質を捕獲するのだろうか?

LHC、ただいまアップグレード中

Credit: Anna Pantelia/CERN

研究者たちは、暗黒物質はその重さのために光の速さよりも遅いだろうと予測。そのために、他の物質から分離するだろうと考えた。

その「差」はおよそナノセカンド(10億分の1秒)、あるいはもっと小さなものかもしれないが、LHCをナメてはいけない。LHCは、そんな微小な違いにも反応できるセンサーが搭載されているスゴいマシンなのだ。

研究者たちは早速この方法を試したかったのだが、彼らは現在「待ち」状態だ。LHCは現在アップグレードのため長期シャットダウン中で、再びオンラインとなるのは2021年となる

しかし、パワーアップしたLHCのおかげで私たちが暗黒物質の正体に近づく可能性が広がるかもしれない。研究チームの一員であるJia Liu氏は、「アップグレードしたLHCは、暗黒物質を発見する大きな可能性を秘めています。そこに暗黒物質があるならば、私たちはその姿を明らかにする方法を見つけ出さなければなりません」と語っている。

 

ついに暗黒物質をつかまえるのか!と思いきや、マシンのLHCさんがアップグレード中というオチがあったのか…。とはいえ、その可能性に一歩近づいたのは嬉しいニュースだ。

ついに暗黒物質の謎が解明!?失われた95%に迫る新しい理論が発表 「暗黒流体として生まれ続けている」

reference: bigthink / written by なかしー

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