biology

粘菌の記憶は「物質そのもの」を取り込んでつくられていた!?

2021.01.27 Wednesday

2019.04.23 Tuesday

Credit: Devid Villa/ CNRS Phototheque
Point
■粘菌は忌避物質を記憶することができ、覚えた物質を効率よく避けて移動することができる
■この記憶は、融合することで他の個体とも共有できるが、記憶の本体はわかっていなかった
■記憶が形成された粘菌では、忌避物質である塩分濃度が上がっており、塩水の直接注射で記憶が形成されたことから、記憶の本体が塩そのものであることがわかった

謎の生物、粘菌。

彼らは単細胞生物であり、神経系を持っていない。それにもかかわらず「記憶力」があり、他の粘菌と記憶を共有できる不思議な生物だ。

この記憶がどのように形成されているのかは不明だったが、新たな研究で、外部の物質を直接取り込むことで記憶にしていることがわかった。某漫画のキメラ=アントかな…?

研究は4月22日付けで「Philosophical Transactions of the Royal Society B」に発表されている。

Memory inception and preservation in slime moulds: the quest for a common mechanism
https://royalsocietypublishing.org/doi/full/10.1098/rstb.2018.0368

変形体同士が融合することで共有される記憶

モジホコリなどの変形菌は、変形体となって網目状に広がって成長し、栄養物に先端を伸ばす。途中で「嫌いな物質」に接しても、それを避けた最も効率の良い経路を通ることが可能だ。

さらに変形体同士が融合することで、記憶の共有もできる。

次ページ粘菌の「記憶」の正体は塩分?

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