■紫外線〜可視光~赤外線のあらゆる光を吸収し、耐久性にも優れた、究極の暗黒シートを開発
■イオンビーム照射と化学エッチングで微細な円錐状の構造を形成し、光閉じ込め構造を実現
■美しい黒が映える新素材としての活用や熱赤外線の乱反射防止への応用などに期待
これは闇が深いぞ。文字通りの意味で。
産業技術総合研究所などの研究グループが、世界最高レベルの光吸収率と耐久性を実現した「究極の暗黒シート」を開発した。本当に深淵が覗けそうな黒さだ。
産総研:全ての光を吸収する究極の暗黒シート
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2019/pr20190424/pr20190424.html
模擬的な黒体「空洞黒体」
現在、乱反射防止用などの表面を黒色化した材料には100%に近い光吸収率の材料が求められている。
しかし従来の99%以上光を吸収する材料は耐久性に乏しく、一般環境での利用が困難だった。
現実には、光を100%吸収する理想敵な物体は存在しない。そこで、大きな中空の空洞に小さな穴を設けて、模擬的に黒体を実現した空洞黒体が開発された。
小さな穴から空洞に入った光は内部で繰り返し反射していくうちに吸収されて減衰し、再び小さな穴から出ていく確率は非常に小さくなるというわけだ。