■NASA長官が「今後60年以内に地球に大きな被害を与える小惑星がやってくる」と指摘
■過去の隕石衝突の記録を分析すると、60年周期で落下していることが判明
■現在NASAは、小惑星に「インパクター」を高速でぶつけて軌道を変える「DART計画」を進行している
「審判の日」は近いか…
NASAのジム・ブライデンズティーン長官は、今週月曜、ワシントンで開催された「地球防衛会議(Planetary Defense Conference)」にて「地球に壊滅的な被害を与える小惑星が今後60年以内にやってくる」と驚きの発言をした。
同氏は「これはハリウッド映画でもなんでもない。直ちに小惑星衝突に対する防衛を強化するべきだ」と続けている。
NASAは今後、FEMA(アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁)などと協力して、小惑星衝突のシミュレーションおよび防衛訓練を進める予定だ。
小惑星衝突は60年周期で起こっていた
ブライデンズティーン長官によると、小惑星の衝突は平均して60年周期で起こっており、過去100年間だけでも3度の落下が記録されているそうだ。
中でも2013年に起きた「チェリャビンスクの隕石落下」は記憶に新しい。
これはロシア・チェリャビンスク州付近に隕石が落下し、空中で大きな爆発を起こした事件である。記録では「ツングースカ大爆発」以来最大の隕石落下で、爆発の威力は広島に落とされた原子爆弾の20〜30倍に匹敵するという。
爆発の衝撃でおよそ1600人以上が重軽傷を負い、約4500棟の建物が被害を受けた。
この周期を考慮すると、今後60年以内にチェリャビンスクと同じかそれ以上の隕石が衝突する可能性がきわめて高いのだ。
同氏も「地球の防衛対策は、NASAが行なっている他の宇宙ミッションと同じく必要不可欠なものだ」と指摘している。