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絶滅したのに再びよみがえった鳥「ノドジロクイナ」

2021.01.27 Wednesday

2019.05.10 Friday

アルダブラ・ノドジロクイナ/Credit:CHARLES J SHARP

Point

■インド洋に浮かぶアルダブラ環礁に生息する「ノドジロクイナ」は絶滅から蘇っていた

■「ノドジロクイナ」はマダガスカルからアルダブラ環礁に移り、天敵がいないことで飛翔能力が退化した

■絶滅から数万年後、氷河期に伴う海面低下で現れたアルダブラ環礁に再びクイナが生息するようになる

これぞ不死鳥。

インド洋に浮かぶアルダブラ環礁に生息する小さな鳥「アルダブラ・ノドジロクイナ」。飛翔能力は失われているが、それ以外に目立つ印象はないいたって普通の鳥だ。

しかし彼らには驚くべき事実が隠されている。

イングランド・ポーツマス大学とロンドン自然史博物館の研究によると、この鳥は13万6千年前に1度絶滅していたというのだ。

研究の詳細は、5月8日付けで「Zoological Journal 」上に掲載されている。

海面の上昇により孤島が沈んでしまう

もともとノドジロクイナの祖先は、アフリカ南東部に位置するマダガスカルに誕生した。この鳥には孤島を求めて移動する習性があり、大量移動した際の引っ越し先の一つがアルダブラ環礁だ。

アフリカ大陸に植民したグループは現地の生物によって絶滅してしまったが、アルダブラ環礁には運良く天敵がいなかったため、生き残ることができたようだ。

しかし同時に天敵がいないことで逃げる必要もなくなり、飛翔能力は退化していった。そうしてノドジロクイナとは独自の進化を遂げたのが、アルダブラ環礁に住み着いたアルダブラ・ノドジロクイナである。

Credit:pixabay

しかしその後、アルダブラ環礁は海面上昇に伴う大洪水で沈んでしまう。そして飛べない鳥アルダブラ・ノドジロクイナも、ともに絶滅したのである。これがおよそ13万6千年前のことだ。

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