「月の裏側」でマントル由来の鉱物を初発見! 月誕生の謎に迫る

space 2019/05/17
Credit:depositphotos.

Point

■中国科学院・国立天文台が、月面上でマントルの存在を示唆する鉱物「輝石」および「カンラン石」を発見したと発表

■場所は「南極エイトケン盆地」というクレーターで、隕石衝突により生じるため、衝撃で地中のマントル部分が地表に露出する

■マントルはマグマが冷えて固まっていく過程で作られるため、月はマグマオーシャンからできた可能性がある

月の誕生秘話が解き明かされる日は近いかもしれない。

中国科学院・国立天文台は15日、月面上で初めて「マントル」由来のものと思われる鉱物の採取に成功したと発表した。

マントルは惑星表面の地殻および内部の金属核の間に位置する岩石層で、月の内部構造や形成プロセスの秘密を解明する鍵となりそうだ。

地球内部のイメージ図/Credit:ja.wikipedia

研究の詳細は、5月15日付けで「Nature」上に掲載されている。

Chang’E-4 initial spectroscopic identification of lunar far-side mantle-derived materials
https://www.nature.com/articles/s41586-019-1189-0

月の裏側にある巨大クレーターから出土!

鉱物の発見に成功したのは中国の月面探査車「玉兎2号」で、これは今年1月に月面の裏側に着陸した月探査機「嫦娥4号」に搭載されていたローバーである。ちなみに月の裏側に着陸したのは「嫦娥4号」が史上初だ。

「嫦娥4号」が着陸したのは「南極エイトケン盆地」と呼ばれる巨大クレーターで、直径2500km・深さ13kmに達する。「玉兎2号」が探索を行ったのはその中心部に位置する「フォン・カルマン・クレーター」と呼ばれる部分だ。

専門家によると、こうしたクレーターは隕石の衝突によって作られ、その衝撃で地中のマントルが抉り出されて地表に露出するのだという。

「南極エイトケン盆地」のイメージ図/Credit:astronomy

「玉兎2号」はそこで「輝石」および「カンラン石」という鉱物を発見した。これらは共に地球内部にある上部マントルー地球のマントルは上部と下部の2層構造ーを構成する鉱物として知られている。

つまりこれが、月にもマントルが存在することを示す確かな証拠となるわけだ。

月はかつてマグマに覆われていたのかも?

月面におけるマントル由来の「輝石」および「カンラン石」の発見は今回が初めてとのこと。カンラン石はこれまでにも発見されているが、それは火山の噴火に由来しておりマントルの存在を示すものではなかった。

さらにこの発見から研究者たちは「月がかつてマグマオーシャンの状態だったのではないか」と推測している。

というのも、マントルというのは超高熱でドロドロのマグマが冷えて固まっていく際にできるからだ。より軽い玄武岩が表面の地殻となり、それより重いカンラン石が地中に沈んでマントルとなる。もっと重い金属は最奥部の核となっていく。

探索をする「玉兎2号」/Credit:inkstonenews

中国科学院の李春来(Li Chunlai)氏は「数十年の間、月にマントルが存在すると信じていたが、今回の発見でそれがついに証明された」と話している。

「嫦娥4号」から月面に降り立つ「玉兎2号」/Credit:inkstonenews

「玉兎2号」は現在も新たな発見を求めて月面探索を継続中。中国は2025〜2030年の間に宇宙飛行士を月に送って鉱物サンプルを地球に持ち帰る計画を立てているそうだ。

 

「月マグマ説」はかなりイイ線行ってる気がする。

「月は収縮している」とNASAが発表

reference: inkstonenewsnationalgeographicastronomy / written & text by くらのすけ

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