加工食品を食べると体重が増える? その3つの要因とは

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Credit: pixabay

Point

■栄養素の構成比が同じでも、未加工食品よりも超加工食品のほうが多く消費され体重増加に繋がることが判明

■食事のスピード、飲み物の摂取量、タンパク質の量が要因か

■便利さや安さという点から、超加工食品を選ぶ人は多い

中身が同じだから良いってもんじゃない。

たとえ炭水化物・脂肪・糖分・塩分・熱量の構成比が同じであっても、人々が未加工食品よりも超加工食品を多く消費し、結果的に体重増加につながりやすいことが明らかになった。

食習慣の調査には色んな要素が関係するため、直接的な因果関係を証明するのはけっこう難しい。そこで今回行われたのが、超加工食品と未加工食品の間のカロリー消費と体重増加の違いを直接的に調べるランダム化比較試験だ。

アメリカ国立衛生研究所 (NIH) のケヴィン・ホール氏らによる論文が、雑誌「Cell Metabolism」に掲載されている。

Ultra-Processed Diets Cause Excess Calorie Intake and Weight Gain: An Inpatient Randomized Controlled Trial of Ad Libitum Food Intake
https://www.cell.com/cell-metabolism/fulltext/S1550-4131(19)30248-7

超加工食品で摂取カロリー・体重・体脂肪のすべてが増加

試験には、20名の健康なボランティアが参加した。彼らは、NIHの施設に1ヶ月間入院し、2週間超加工食品または未加工食品から成る食事を与えられた後、次の2週間はそれを入れ替えて食事を与えられた。

被験者は1日3回の食事の他に、水と超加工食品か未加工食品をいつでも摂ることが許された。彼らは好きなだけ食べてよいと指示され、研究チームはその食事量を計測した。

2種類の食事の開発には、加工の程度と目的に応じて食品を分類するNOVA食品分類システムが用いられた。たとえば、超加工食品から成る朝食の献立の例は、ハニーナッツチェリオなどのシリアル、食物繊維を加えた牛乳、袋に入ったブルーベリーマフィン、マーガリンが挙げられる。

実験で用意された超加工食品から成る昼食の一例 / Credit: Hall et al./Cell Metabolism

これに対して、未加工食品から成る朝食の典型は、ギリシャヨーグルト、イチゴ、バナナ、クルミ、塩、オリーブオイル、レモン汁をかけたリンゴのスライスでできたパフェなどだ。

被験者はみな、どちらの食事も美味しく、満腹感を満たすものだったと報告しているため、食事の好みは影響していないはずである。

その結果、被験者が超加工食品を摂取した2週間は、未加工食品を摂取した2週間よりも、1日の摂取カロリーが平均で508キロカロリー上回ることが判明。また、前者は体重が平均で約0.9キロ増加し、反対に後者は平均で約0.9キロ減少した。体脂肪も同様で、前者は増えたが、後者は減った。

Credit: Hall et al./Cell Metabolism

また、被験者の代謝を調べたところ、超加工食品を摂取した期間は、未加工食品を摂取した期間よりも、被験者は多くのエネルギーを消費していた。問題は、摂取カロリーが、消費量を上回っていたことだ。

食事スピード・飲み物の量・タンパク質の量が要因?

一体なぜ、超加工食品を食べた時のほうが、たくさん食べてしまうのだろう? その要因について、研究者たちはいくつかの仮説を立てている。

1つ目の要因は、超加工食品を摂取した時は食べるスピードが速くなったことだ。超加工食品の食感などが影響しているのかもしれない。

自然の食品にはない、サクサク・ふわふわとした食感はたしかに後を引く…。しかし、食事の速度が速いと、消化器から脳へ満腹を伝えるのが間に合わず、本当はもう満腹なのに食べつづけてしまうのだ。

2つ目の鍵は、飲み物の量だ。食事全体に含まれる食物繊維の量を釣り合わせるため、超加工食品の食事には食物繊維を添加したジュースなどの飲み物が加えられた。ところが、固形の食べ物と比べると、飲み物は満腹感に欠ける。このため、自ずと食事量が増えるのだ。

3つ目は、両方の食事はできるだけ栄養素の構成が同じになるよう工夫されたが、それでもタンパク質の量にわずかな違いが生じたことである。

未加工食品の食事はカロリー全体の15.6パーセントがタンパク質から成っていたが、超加工食品の食事はその比率が14パーセントにとどまった。タンパク質の目標値に届くように、被験者は自然とたくさん食べたのかもしれない。

実験で用意された未加工食品から成る昼食の一例 / Credit: Hall et al./Cell Metabolism

今回の実験には、「被験者自身が食事の用意をしていない」という重要な制約があった。実際、便利さや安さという点から、超加工食品を選ぶ人は多い。

特に、社会経済学的地位が低い層は未加工食品を使って食事を用意するためのスキル・道具・知識・資金が不足していることが多く、このことが未加工食品のハードルを高めている。

 

便利で時短になる加工食品だが、頼りすぎるのは考えもののようだ。

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reference: eurekalert / written by まりえってぃ

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