ボノボの母親は息子の「お嫁さん」を探す手伝いをする

animals_plants 2019/05/21
Credit: depositphotos / ボノボ

Point

■ボノボの母親は、自分の息子をメスのグループに案内して交尾を促す

■実際にこの行為は功を奏しており、母親の協力を得たオスは母親がいないボノボと比べて3倍の確率で子孫を残していた

■逆に自分の娘に対してはそうした行動はとらず、メスは自らグループを離れて別の場所で家庭を築く

人間もこのくらいやったほうがよかったりして。

新たな研究により、ボノボの母親がとんでもなく「おせっかい」であることが判明した。なんと彼女たちは自分の息子をメスのグループへと連れて行き、「お嫁さん」を見つける手助けをしてあげるというのだ。

さらには息子の「最中」にメスを狙ってくる他のオスを威嚇し、近づけさせないといった徹底ぶりも確認できるらしい。研究は「Current Biology」に掲載されている。

Males with a mother living in their group have higher paternity success in bonobos but not chimpanzees

https://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(19)30338-0

親の干渉も捨てたもんじゃない?

ボノボの母親にとって、これは親の務めであり、調査によってその努力が実を結んでいることも分かっている。母親と行動を共にするオスの個体のほうが、母親がいない個体よりも3倍も子孫を残す確率が高いのだ。

Credit: depositphotos / ボノボの親子

マックス・プランク進化人類学研究所の霊長類学者、マーティン・サーベック氏は、「私たちはボノボの母親の行為によって、息子のパートナーを見つける確率が変わるのかを知りたかったのです。そして実際に、その行為にはその力がありました。ボノボの母親は、自らが得ることのできる孫の数に大きな影響力を持っていたのです」と語っている。

ボノボの社会は女性優位であり、トップの階層はメスが支配している。そしてその多くが、自分の息子を未来のパートナーのもとへと案内するのだ。サーベック氏は、「母親の存在が、息子にとって社会へと出ていくためのパスポートとなることが多いのです」と述べている。

「ムスメ」は放置

こうした母親による介入の影響を調査するために、サーベック氏率いる研究チームは、コンゴ民主共和国の野生のボノボと、タンザニア、ウガンダ、コートジボワールの野生のチンパンジーを観察した。

Credit: depositphotos / チンパンジー

どちらも人間に最も近い種として知られており、息子の手助けをする点でも共通している。しかし、息子の「成功率」を高めているのはボノボだけであることが分かった。これは、チンパンジーの社会はオスが支配的であり、メスの影響力が少なかったことが影響していると考えられる。

そして、ボノボの社会でその「逆」の行為はみられない。つまり、ボノボの母親が自分の娘のために「お婿さん」をみつける手助けはしないということだ。メスはふつう、オスと異なり自ら所属するグループから去って他の場所で新たな家族をつくるのだ。

 

人間の若者も「やらなくなった」と叫ばれる今日。人間界でもひょっとすると、このくらい母親がでしゃばったほうが社会がうまく回っていくのかもしれない。

犬に読み聞かせ。新しい教育法「読書犬」がフィンランドで拡大中

reference: theguardian / written by なかしー

SHARE

TAG

animals_plantsの関連記事

RELATED ARTICLE