『ゲーム・オブ・スローンズ』世界のプレート運動をガチの地質学者が完全再現

culture 2019/05/22
Credit:depositphotos

Point

■地質学者が『ゲーム・オブ・スローンズ』のプレート運動を完全再現したアニメーションを作成

■それによると「ウェスタロス」と「エッソス」の両大陸は、約2500万年前に分離していた

■今回のプロジェクトは、地球に大きな影響を与える「プレート理論」に興味を持ってもらう目的を兼ねている

ついに幕を閉じた大人気ドラマシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』。

様々な批評に晒されている本作ですが、なんと作品内のプレートの動きをアニメーションで完全再現するツワモノが出現した。

このプロジェクトを行ったのは、シドニー大学のサビン・ツァヒロヴィク氏とメルボルン大学のジョー・コンドン氏。両氏はドラマ内に登場する「ウェスタロス」と「エッソス」の両大陸に関する地質学的な運動を動画で再構築したのだ。

この試みは単なる好奇心以外に、一般の方にも「プレート理論」の理解を深めてもらう目的があるという。

未来世界を左右する「プレート理論」

まず「プレート理論」とはなんぞや?である。

「プレート理論(プレートテクトニクス)」は一言で言えば、地球上にあるプレートの動きを説明する理論だ。地球の表面は数枚のプレートがパズルのように組み合わさってできており、それが動くことで地質上の変化が起きる。

こうしたお皿の上に乗っかっているのが大陸なので、プレートが動くと必然的に大陸の位置も移動する。いわばプレートはベルトコンベアのような働きをするのだ。

地球を構成するプレート/Credit:ja.wikipedia

かつて地球上の大陸はすべて、「パンゲア」と呼ばれる同じ1つの大陸に属していた。しかし大陸の下にあるプレートが動くことで、パンゲアが割れて各地に移動し、現在の状態にいたる。

パンゲア大陸の図/Credit:ja.wikipedia

さらにプレートの運動は山脈や海洋を作り出す原因でもある。例えば、1枚のプレートが別のプレートの下に潜り込むことで、盛り上がった部分に山脈ができる。

地震や火山などもこうしたプレートの動きで生じるゆえに、「プレート理論」を理解することはきわめて重要なことなのである。過去の地質運動を理解することで、現在だけでなく未来の動きを知る鍵ともなるのだ。

『ゲーム・オブ・スローンズ』のプレート運動を再現

実は『ゲーム・オブ・スローンズ』の世界観に関する研究は今回が初めてではない。ドラマ世界に登場する不規則な天候を調査した「気候変動シミュレーション」や「地質学調査」などがすでに行われている。

ツァヒロヴィク氏とコンドン氏はこうした試みに刺激を受けて、今回のプロジェクトを始めたという。

プレート運動のアニメーション制作には「GPlates」というフリーソフトウェアが用いられた。これはプレート運動のモデリングを行う実際の研究現場でも使われているものだ。かなり本気度が伝わってくる。

「ウェスタロス」と「エッソス」の両大陸/Credit:theconversation

両氏は『ゲーム・オブ・スローンズ』の主な舞台となる「ウェスタロス大陸」および「エッソス大陸」に関する細かな情報ー山脈・森・草原などの位置ーを綿密に調査した。

こうした情報をもとにプレートの収束や衝突の痕跡を特定した結果出来上がったのが、上のアニメーションだ。

両氏によると両大陸はおよそ2500万年前に分断したと考えられ、その際に大陸間に狭い海峡ができたという。ギザギザの赤線はプレートが収束して「沈み込むライン」を示しており、これによって山脈や火山が作られる。

プレートの動きを生で感知するにはあまりにもスピードが遅いが、地球上に暮らす人や生物に与える影響はとてつもなく大きい。火山や地震、津波がその例だ。

両氏は『ゲーム・オブ・スローンズ』をきっかけに「プレート理論」に興味を持ってもらえたらと願っている。

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reference: livesciencetheconversation / written & text by くらのすけ

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