新・進化論。「超新星爆発が人類の進化を加速させた」という説が発表される

geoscience 2019/05/30
Credit:depositphotos

Point

■人類の進化は「超新星爆発」が促したという新説が発表される

■爆発による放射能が地球の大気をイオン火させ、強力な雷雨を起こし、アフリカの森林が焼き払われた

■その結果、草原化したアフリカの地上で最も有利になったのが「直立二足歩行」だった

「直立二足歩行」は人類が地上の覇権を握ることになった大きな一因である。手が使えるようになったことで、道具の製作や知能の発達を大きく促したのだ。

しかしながら、人類の先祖が二足歩行に移行した原因は未だ明確ではない。

そんな中、アメリカ・カンザス大学のエイドリアン・メロット教授が「人類の進化は超新星爆発をきっかけに加速した」という驚きの発表をした。この説によって、直立二足歩行の起源も説明されるという。

研究の詳細は、5月28日付けで「Journal of Geology」上に掲載されている。

From Cosmic Explosions to Terrestrial Fires?
https://www.journals.uchicago.edu/doi/10.1086/703418

星の爆発が森林を燃やし尽くした!?

メロット教授の仮説は次のようなものだ。

今からおよそ800万年前、地球から164光年離れた星の一群が爆発を起こし始め、それに伴い大量の放射線が宇宙空間に放出された。

放射線の威力は約260万年前にピークを迎え、その影響が地球にまで達し、大気をイオン化させたという。イオン化とは中性の分子から電子を分離することで大きなエネルギーを生ずる。

それによって地球大気はより電導的になって激しい雷雨が発生し始めた。この雷雨がアフリカの森林で山火事を起こし、大部分が消失して草原化されたのだ。

Credit:pixabay

あまりに都合が良すぎるようだが、教授は何も適当に言っている訳ではない。

アフリカの森林で火事が起こった証拠として、その時代に関連する土壌中の炭素量が増加していたことが分かっているのである。火の発明以前に火事を起こせるとしたら、雷の確率はきわめて高くなる。

ましてや土中の炭素量が増加していたなら、山火事以外にはありえそうもないのだ。

草原で二足歩行が有利に働いた

こうした新たな環境に最も適していたのが「直立二足歩行だ」とメロット教授は指摘する。

高い樹木や鬱蒼とした森が大幅に消失したことで、見晴らしが格段に良くなった。さらに二足歩行は四足のナックルウォークに比べて消費量が4分の1に減り、長距離移動が可能となる。

つまり残された木から木へと渡り歩き、そこを拠点にして天敵を監視することができたのだ。

Credit:pixabay

ただ直立二足歩行の起源は、およそ600万年前に存在したサヘランテロプスにまで遡るといわれている。サヘランテロプスはヒトとチンパンジーの特徴が混交していたが、残された骨盤の状態から二足歩行が可能だったことが分かっている。

しかしメロット教授によると、この時点ではまだ二足歩行が主な移動手段ではなく、必要時にだけ使う程度だったそうだ。鬱蒼とした森の中ではまだバランス力に長けた四足歩行が有利だったのだろう。

そして約260万年前の草原化がきっかけとなって、二足歩行へと正式に移って行ったと考えられる。しかも人類の祖先に二足歩行へ移る土台が整っていたことを考慮すると、今回の新説により真実味が増してくる。

人類に影響のある超新星爆発は今後起きるのか?

ところで気になるのは、人類に大きな影響をもたらすほどの超新星爆発が今後起こりうるのかということだ。

メロット教授によると、100万年以内に爆発する可能性のある星は一番近くても642光年先のベテルギウスだそうで、もし爆発しても地球への影響はないと考えられている。

きわめてチャレンジングな仮説だが、こうした発想の大胆な転換が科学を進化させていくのだろう。

非常に珍しい「地球に近づく銀河」の精密画像をNASAが公開

reference: futurismindependenttheguardian / written by くらのすけ

SHARE

TAG

geoscienceの関連記事

RELATED ARTICLE