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すごいぞう。ゾウは「匂い」だけでモノの「量」がわかる

2021.01.27 Wednesday

2019.06.05 Wednesday

Credit:pixabay

Point

■アジアゾウを対象にした実験によると、ゾウは嗅覚で分量を識別することが判明した

■実験では、同じ分量入った2つの食料バケツの内、好物のヒマワリの種の割合が多い方を嗅覚で当てることができた

鳥類や哺乳類、その他多くの動物は主に、視覚に頼ることで食料の分量をチェックする。

ところがニューヨーク市立大学ハンター校の研究によると、ゾウは嗅覚を使って量を計測していることが判明した。

主任研究員のジョシュア・プロトニク教授によると、ゾウが視覚よりも嗅覚をメインにして身の回りの知覚を行うという。

研究の詳細は、6月3日付けで「PNAS」上に掲載されている。

重さは同じでも「匂い」で割合を見分ける!

アジアゾウ/Credit:abcnews

以前からゾウは鼻で物を持ち上げて情報を集めることが知られているが、分量を識別しているかについては不明であった。

そこでプロトニク教授と研究チームは、タイにある「アナンタラ・ゴールデン・トライアングル 」というゾウの保護キャンプに出向き実験を行なった。

6頭のアジアゾウ(Elephas maximus)を対象に、食べ物の入ったバケツを2つ用意してどちらか一つを選んでもらった。バケツ全体の重さは共に同じだが、どちらか一方だけゾウの好物であるヒマワリの種の割合を多くしている。

実験に参加したアジアゾウ/Credit:nytimes

また視覚で判断できないようバケツに覆いをしているが、表面に小さな穴を開けて匂いが出るようになっている。

その結果、6頭すべてが一貫してヒマワリの種が多く含まれる方を選んだ。特に割合の差が大きければ大きいほど、ヒマワリの種が多く含まれる方を選ぶ成功率も上がっていたという。

反対に割合の差が小さいとき、成功率は半分にまで落ち込むことが判明している。つまりゾウの判断基準は嗅覚に大きく依拠しているのだ。また実験を複数回繰り返す中で、ゾウたちが前のバケツに入っていたヒマワリの種の残り香にも反応していることが分かった。

プロトニク教授は「ゾウが嗅覚で分量を識別する詳しい仕組みは不明だが、人間とは比較できないほどの情報量を匂いで収集していることは確かだ」と話す。

ゾウの嗅覚はイヌの2倍もあるという研究もある。特にアフリカゾウは、象狩りを「する民族」と「しない民族」を匂いで見分けることができるそうだ。

一つの感覚も、極限まで発達すると「第六感」のように見えるのかもしれない。

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reference: nytimessankeiabcnews / written & text by くらのすけ

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