「ジオエンジニアリング」が第3次世界大戦を引き起こすかもしれない

geoscience 2019/06/14
Credit:pixabay

Point

■地球温暖化を止める方法として、地球規模で気候を操作する「ジオエンジニアリング」が研究されている

■ジオエンジニアリングには「エアロゾル」という特殊なチリを上空に巻くことで、太陽光をブロックする方法がある

■しかしエアロゾルによるチリが大気の流れで意図しない地域に流れると、国家間の紛争に繋がる潜在的な危険性がある

地球温暖化は今も刻一刻と、その被害を増している。

すでに昨年の地球平均気温はこれまでで4番目の高さ、そして海水温度は史上最高を記録している。もはや個人が意識を変えるだけでは足りない域だ。

そこで研究者たちが考えているのが、「ジオエンジニアリング(地球工学)」という解決策である。これは端的に言えば、地球の気候を人為的に操って変化させる手法のことだ。

ところが専門家たちの間ではジオエンジニアリングが国家間の紛争を、ひいては第三次世界大戦を引き起こす可能性があるとして懸念されている。

温暖化防止策が戦争を引き起こすとは、一体どういうなのだろうか。

気候をハックする「ジオエンジニアリング」とは?

Credit:pixabay

ジオエンジニアリングは人工降雨のような局所的手段ではなく、地球全体に影響を与える方法である。その手法の1つとして現在研究が進められているのが「太陽光のブロッキング」だ。

これは地表に達する太陽光を遮って、反対に熱を宇宙に逃しやすくする方法である。具体的には、「エアロゾル」と呼ばれる特殊なチリを高度20〜30kmの成層圏に散布する。

こうして上空に人工的な雲を作ることで太陽光を遮り、地表を冷やすことが可能になる。すでに人類は地球規模で気候をハッキングするというSF的技術が実現するところまできているのだ。

国家間の紛争を起こす危険性も

Credit:pixabay

ところがこのジオエンジニアリングを世界各国が他国に無断で行うと国際的な紛争に発展しかねないという。

カナダ・ウォータールー大学のジュアン・モレノ・クルツ氏は「太陽光ブロッキングという手法は、意図せずして他の地域に地政学的な被害をもたらす」と指摘する。

地政学とは、地理・気候的な環境がその国の政治や経済、軍事的な側面に与える影響について研究する学問のことだ。

例えば、エアロゾルを南半球に散布すると、それが海上の温度や風速に影響を与えて北半球により多くのハリケーンを生じさせる可能性がある。

さらに世界気象機関(WMO)の科学者アンドレア・フロスマン氏は「大気には壁がないので、エアロゾルによる雲が気流に乗って目標としない地域に移動することもありえる」と話す。

その結果望んでもいないのに太陽光が遮られ、植物が育たなくなり、食糧生産が困難になる地域が出てもおかしくはないのだ。そのことで食料をかけた国内紛争からその原因を作った国との戦争が勃発する。

さらにこうした現象が地球規模で起こったとすれば、行き着く先は3度目の悲劇でしかない。

Credit:pixabay

ジオエンジニアリングが本当に地球温暖化に対する一番の解決法かは、まだ議論の余地がある。「国家間の戦争を引き起こすというのはあまりに大げさだ」とする向きもあるが、いずれにせよジオエンジニアリングには国際的な取り決めや厳密なルールが施行が必要だ。

地球温暖化が世界戦争の引き金まで引いてしまうことがないよう、努めなければならない。

「2050年までに人類が滅亡する」という文書をオーストラリアが発表

reference: futurismbusinessinsidernda / written & text by くらのすけ

SHARE

TAG