鳥はデュエットで歌うと脳が同期することがわかる

animals_plants 2019/06/21
Credit:W.J.Daunicht

Point
■マミジロスズメハタオリはオスまたはメスが鳴き出すと、決まったタイミングでパートナーが歌い出す

■この鳥たちはグループを形成して巣作りし、グループメンバーとのコーラスでライバルに自分たちの領域を伝えている

■こうした高度に同調した”さえずり”は、彼らの脳波が完全に同調して行われていることが明らかになった

鳥たちのさえずりは時々ピッタリ揃って、示し合わせてデュエットしているように聞こえることがある。

正確にデュエットする鳥というのは、実際かなり種が限られているが、その内の1つがマミジロスズメハタオリというアフリカに住む鳥だ。

彼らはパートナー同士で、とても正確なリズムで交互に歌う。またグループを作って生活し、そのグループメンバーで歌うという社会性もあわせ持っている。

鳥たちが正確にタイミングを合わせて歌うためには、相互に協調する神経機構が必要だがその詳細は不明だった。

今回の研究では、野生の鳥に直接センサーをつけて、デュエットで囀る際の脳の活動状態を調べ、彼らが完全に脳を同期させて歌っていることを明らかにした

この研究は、マックスプランク研究所の鳥類学研究者たちにより発表され、オンライン・ジャーナルNature Communicationsに掲載されている。

Evolution of facial muscle anatomy in dogs
https://www.pnas.org/content/early/2019/06/11/1820653116

野生の鳥の脳波調査

野生の鳥を調査することは難しい。実は歌っている鳥を「自然のままに調べる」ということはあまり行われていない。

実験室で歌わせる調査はあったが、実験室では彼らの複雑な社会構造を発達させることができないのだ。

そこで今回研究者たちは、0.6グラムという非常に計量なリュックサックのようなセンサーを野生の鳥たちに取り付けて、自然のままに生息地で歌う彼らの調査を行った。

Credit:Susanne Hoffmann(Max-Planck-Institut)

背中に歌声を録音するマイク、頭には脳の活動を記録し送信するアンテナがついており、歌声と脳信号をミリ秒単位の精度で同期して記録できる

車内に積まれた機材 / Credit:Susanne Hoffmann

ただし場所はアフリカの野外。日中40度は軽く超える場所もあるだろう。

車に積んだ機材でこれらの信号を解析して調査を行うことは、困難を極めたという。しかし最終的には、650近いデュエットの記録を取ることに成功している。研究者魂だ。

完全に同調した脳の動き

解析の結果マミジロスズメハタオリたちは、さえずるときに非常に同調した脳の活動を示した。

彼らはパートナーの声を聴くとその歌声入力をきっかけにして調整を行いデュエットをする。そのズレは0.25秒しかなかったという。

こうした歌の制御は、運動前野であるHVCの神経核のネットワークで行われているようだ。パートナーの歌声を聞き始めるとこの部分に変化が起き、自身の歌に対しても影響を与えるのだ。

この時の脳の活動は、2羽の鳥同士で完全に同期していたという。

これは、パートナーの歌の時間的パターンを組織化するネットワークが脳内に形成されていることで実現されているという。

こうした脳のメカニズムは人間社会での人々の活動や調整についても関連している可能性があり、人と協調して活動する場合の研究にも応用できるかもしれない。

今回の研究の成功は、無線送信機を使って野外の鳥の神経活動を、鳥たちにストレスを与えずに測定できることを示している。実験室の中だけで行われていた神経行動学の研究に対して新たな可能性を与えたと研究者たちは語っている。

 

しかし写真を見る限り、本当に鳥たちがストレスを感じていないのかはちょっと疑問ではある。

吸血する鳥フィンチ、血を吸うのは進化ではない?

reference:mpg,lifesciencedb/written by KAIN

SHARE

TAG