「時間のない島」がノルウェーに誕生へ! 島民がタイムレスを望む深い理由

spot 2019/06/24
Credit: Anna Berkut/Alamy

Point

■ノルウェーに「時間」をなくそうと運動を起こしている小島がある

■島には夏に太陽が沈まない白夜の期間があり、人々は好きな時間にやりたいことを楽しんでいる

■このコンセプトに惹きつけられる観光客も増えており、実際に「時間をなくす」ための嘆願書が議会に提出された

「一人が好き」なのは内向的ではなく、実は「自律傾向が高い人」だった

タイム・イズ・マネーが通用しないかも。

ノルウェーに350人あまりが暮らすソマロイ(Sommarøy)という小さな島がある。この島には「あるもの」がない。それは私たちにとって欠かせないものであり、形ないものでもある「時間」だ。

もちろん時間が存在していないわけではなく、住民たちが「時間の呪縛」から逃れることを強く望んでいるという。

夏は太陽が24時間島を照らす

ノルウェーのような高緯度地域には、白夜と極夜を経験できる場所がある。ソマロイもそんな場所の1つだ。

ここでは11月~1月が極夜であり、人々は24時間を暗闇の中で過ごす

一方夏になれば、1日中太陽が顔を出している。具体的には5月18日~7月26日まで、人々は日光に照らされ続けて生活をするのだ。

日本の私たちからすれば想像できない暮らしだが、確かにそうした環境の中では時間の重要性が低くなることもうなずける。

Credit: pixabay / 真夜中の太陽

この「時間廃止キャンペーン」を推進するリーダーであるKjell Ove Hveding氏は、「私たちの目標は、24時間の中で完全なフレキシビリティを提供することです。午前4時に芝刈りをしても構いません」と語っている。

島の主な産業は観光業と漁業であり、島民は時間に縛られない生活を望んでいる。つまり彼らは四六時中太陽を浴びる生活の中で、「やりたいときにやりたいこと」がしたいのだ。

ここでは、深夜の2時に友人とビーチでコーヒーを飲み交わすことも日常茶飯事だというのだから、確かにQOLは高そうだ。

観光にも良い影響が

ノルウェー科学技術大学のTruls Egil Wyller教授も、この取り組みについて「魅力的なコンセプト」であると称賛している。

教授は「社会が時間によって規定され、非常に特殊な方法によって規律されてきたのは、ほんの2世紀前からです。それ以前は必要に迫られれば働き、お腹が空けば食べ物を食べ、疲れたら横になっていました。しかし現代では、起床時間をはじめとしたすべては、時間によって定められたペースでコントロールされています」と語っている。

さらに観光客にとってもこのコンセプトは魅力的なようだ。この島に続く橋に腕時計を結びつけて上陸し、この「時間のない島」を心ゆくまで楽しもうとする人もいるという。

いかに人々が時間からのストレスを日常的に受けているかが伺える。

Credit: pixabay

とはいえ、この試みには難しい側面もある。たとえばホテルでは、チェックイン/アウトの管理が困難となる。また、バーやレストランでも営業時間がハッキリとしなくなるため、実現のためには観光客をはじめとした人々の寛容な心が必要となりそうだ。

先週、このアイディアについての島民の嘆願書が地方議員へと提出された。本当にこの島が「時間」を捨てるかどうかはまだ分からないが、特に時間にうるさい我々日本人には、この島がとても魅力的に映るのではないだろうか。

時間が過ぎるのを遅くするコツ

reference: theguardian / written by なかしー

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