観光にも良い影響が
ノルウェー科学技術大学のTruls Egil Wyller教授も、この取り組みについて「魅力的なコンセプト」であると称賛している。
教授は「社会が時間によって規定され、非常に特殊な方法によって規律されてきたのは、ほんの2世紀前からです。それ以前は必要に迫られれば働き、お腹が空けば食べ物を食べ、疲れたら横になっていました。しかし現代では、起床時間をはじめとしたすべては、時間によって定められたペースでコントロールされています」と語っている。
さらに観光客にとってもこのコンセプトは魅力的なようだ。この島に続く橋に腕時計を結びつけて上陸し、この「時間のない島」を心ゆくまで楽しもうとする人もいるという。
いかに人々が時間からのストレスを日常的に受けているかが伺える。
とはいえ、この試みには難しい側面もある。たとえばホテルでは、チェックイン/アウトの管理が困難となる。また、バーやレストランでも営業時間がハッキリとしなくなるため、実現のためには観光客をはじめとした人々の寛容な心が必要となりそうだ。
先週、このアイディアについての島民の嘆願書が地方議員へと提出された。本当にこの島が「時間」を捨てるかどうかはまだ分からないが、特に時間にうるさい我々日本人には、この島がとても魅力的に映るのではないだろうか。