火星移住問題、一つクリア。精子は低重力でもへっちゃらでした

space 2019/06/24
Credit: i.telegraph.co.uk

Point

■低重力環境が凍結精子の生存能力に損傷を与えないことが判明

■ヒトの精子を宇宙空間へ安全に運び出し、精子バンクを地球外に設置できる可能性が上昇

■地球から多様な精子を持ち込むことができれば、火星の遺伝子プールは大幅に拡張される

精子にとって最もよいパンツは「トランクス」であることが判明

2033年までに建設が予定されている火星植民地。

人類が未開の地に根付いて生きていくためには、生殖によって子孫を増やすことが不可欠だが、その際に問題になるのが、低重力環境下に長時間さらされた場合の、ヒトの細胞への影響だ。

このほど、低重力環境が凍結精子の生存能力に損傷を与えないことが、ある予備調査で示された。研究を行ったのは、バルセロナの産婦人科病院Dexeus Women’s Healthの研究チームだ。

曲芸飛行で宇宙空間の低重力を再現

研究者チームは、精子サンプル10点を、曲芸飛行訓練用の小型飛行機に搭載し、一定の高度から8秒間一気に急降下することで宇宙空間の低重力環境を再現した。

飛行機は、再び放射線状を描くようにして元の高度に戻り、この動きを、計20回繰り返したという。その時の精子の気持ちを想像すると少し複雑な気分だ。

Credit: pixabay

実験の結果、低重力環境にさらされた後の精子の生存能力は、実験前の精子の生存能力と同程度に高いことが明らかになった。

精子さえ安全に運べれば男性の移住は不要かも…?

過去の調査では、ヒトの細胞の構造や機能が低重力環境下で乱れる可能性が示されていたが、生殖細胞についてはよく分かっていなかった。

宇宙飛行の機会が今後も引き続き増えていけば、宇宙に長期間滞在した場合の人体への影響と、地球外での生殖の可能性を探ることは、とても重要だ。

今回の調査結果は、ヒトの精子を宇宙空間へ安全に運び出し、精子バンクを地球外に設置できる可能性を一気に高めそうだ。研究チームは今後、サンプル数をさらに増やし、低重力環境にさらす時間をさらに長くすることで、今回の予備調査の結果を実証したいと考えている。

ところでNASAは、人類で初めて火星に降り立つのは女性になる可能性が高いと発表している。女性宇宙飛行士が凍結精子を携えて火星へ赴き、そこに新世界をつくるのだ。

精子さえ問題なく運ぶことができれば、そこに男性の存在は必須ではないのかもしれない。一時は「火星の花園」のできあがり、なんてことも有り得たりするかもしれないのだ。

 

人類が火星植民地で生存していくには、多様性のある遺伝子同士の交配が欠かせないが、実際に火星へ移住できるヒトの数と種類には限界がある。だが、地球から多様な精子を持ち込むことができれば、火星の遺伝子プールは大幅に拡張されるだろう。

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reference: independent / written by まりえってぃ

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