宇宙移民によって人類が銀河へ広がっていく様子をシミュレーションした動画が発表される

space 2019/06/29
©BIGWEST/マクロスF製作委員会

Point

■「約1万年後の未来、人類が天の川銀河を開拓する様子」をシミュレーションした動画が公表された

■人類が宇宙移民船を作り、数百〜数千世代をかけて銀河内を移動し、定住に適した天体を見つけ、銀河中に生存圏を広げていくというコンセプト

■太陽系を起点として、宇宙移民をはじめた人類は、その後定住した別の天体を起点にして、さらに生存圏を銀河中へ広げていく

1万年後の未来を想定して、まるでマクロスの様に人類が移民船団を組織して銀河中へ生存圏を広げていく、熱いシミュレーション動画が公開された。

この動画は、欧州宇宙機関(ESA)のシンクタンクAdvanced Concept Team(ACT)が主催するワークショップにて発表されたものだ。

え? ご存じないのですか? このイベントこそ世界中の第一線で活躍する航空工学、数学の研究者が集まるロケット科学のワールドカップ、大域的軌道最適化競技会です!

そんな場で公開されたこの動画は「人類が天の川銀河を開拓する最適なプロセス」をシミュレーションしている。

巨大な船で数百〜数千世代にわたって天体間を移動

月へ行くのもやっとな現代では現実感の湧かない話だが、遥かな未来では人類が太陽系を越えて、別の恒星系へ向けて旅するようになる日が訪れるかもしれない。

十分な時間と必要なテクノロジーさえ与えられれば、人類は天の川銀河全体を植民地化することも可能になるだろう。

銀河開拓を実現するには、推進速度をできるだけ変えずに、定住に可能な天体へ向け均一に人類が拡散していける方法を見つけなければらならい。

動画では人類がふるさとである地球を離れ、広い銀河へと飛び出すことを決意するのは、およそ1万年後と想定されている。この「銀河進出元年」には、人類が持つ技術や知識は劇的に進化しているはずだ。

しかしスターウォーズのように、ワープ航法が確立されていることは想定していない。あくまで宇宙空間を地道に航行して、移住に適した天体を見つけて人類が銀河に広がった場合をシミュレーションしているのだ。

それには自立航行する宇宙移民船によって、数百〜数千世代に渡る気の遠くなるような果てしない宇宙航海が必要になると考えられている。

©BIGWEST/マクロスF製作委員会

現代ではまだ子供の遊びの延長のように捉えられている、ゲームコンテンツの技術はそんな宇宙空間で長期間人々が安定して暮らしていくためには必須のものになっている可能性がある。

きっと銀河歌姫の存在も必要になることだろう。

このシミュレーションが発表されたワークショップでは、天体間を移動するための船の設計、構造、推進エネルギー、自己メンテナンスの材料についても議論された。

安住の地を探し求める人類の拡散は「花火」のよう

動画では、旅の起点となる太陽系は黄色い点で表示されている。

惑星の資源を使い果たした人類は、徐々にそこから旅立って惑星移民をはじめていく。

動画に映る映像は、まるで色とりどりの花火のようだ。この光の筋一つ一つが人類の移民船団を表している。

青と緑の光は太陽系から始まる最初の移民船団だ。赤い光はその後、移住した惑星からさらなる移住を始める第二の移民船団を表している。

これを繰り返すことで人類は銀河中へ生存圏を広げていく。

動画の終わりでは、ペルセウス座といて・りゅうこつ腕が、人類の移住によって繋がる様子が描かれている。また反対側では、たて・ケンタウルス腕の付近の人口が大幅に増えていることが分かる。

銀河開拓における人類の爆発的拡大を言い表す比喩として、「花火」という言葉はまさにぴったりだ。

しかし、動画の時代がかなり進んでも、移民第一世代となる青い光の移民船団がまだいくつか残っている。何千世代というときを重ねても、移住するべき星を見つけられず、宇宙を当てもなく彷徨い続ける船団も存在することを、このシミュレーションは予想しているようだ。

想像するとちょっと怖くなってしまう。

宇宙開発は今も少しずつ少しずつ進化を遂げているが、遥かな未来の子孫たちはこんな果てしない銀河開拓をリアルにはじめることになるのかもしれない。

その頃には、宇宙人との出会いも起こっているのだろうか?

ヤックデカルチャー ©バンダイビジュアル

 

reference: sciencealert / written by まりえってぃ,edited by KAIN

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