謎の恒星間天体「オウムアムア」がUFOではないと結論が出る

space 2019/07/03
Credit: ESA/Hubble, NASA, ESO, M. Kornmesser

Point

■オウムアムアはUFOではなく、完全に自然な天体であるという論文が発表された

■オウムアムアの赤みを帯びた色や岩石などの成分が、自然の小惑星と共通

■地球から遠ざかる際の奇妙な加速は少量のガスで起こりうるため、噴出が地球から観測できない可能性もある

まあ知ってたけどね。

2017年10月、史上初めて太陽系の外から飛んできた天体「オウムアムア」がハワイで観測された。

長さは400メートルほどの「オウムアムア」はその葉巻のような姿も相まって、一時は「エイリアンの探査機」、UFO説も浮上した。それを否定する論文がこのほど発表されたのだ。

欧米の天文学者14名から成る研究チームは論文の中で、オウムアムアを「完全に自然な天体」であると結論づけた。論文は雑誌「Nature Astronomy」に掲載されている。

The natural history of ‘Oumuamua
https://www.nature.com/articles/s41550-019-0816-x

太陽の重力だけでは説明不可能な奇妙な加速

小惑星のほとんどは火星と木星の間にある「小惑星帯」からやってくるし、彗星は太陽系の最深部にあるといわれるオールトの雲から飛来するといわれている。

しかしオウムアムアは、そのいずれにも由来しない、太陽系の外からやってきた恒星間天体なのだ。

オウムアムアがハワイ語で「遠方からやってきた最初の使者」という意味を持つのも、納得の異邦人ぶりである。

さらに驚きなのが、ガスやちりを噴出しているようには見えないのに、地球から遠ざかる際に太陽の重力では説明できないほど加速していたことだ。

Credit: NASA/JPL-CALTECH

加えてその自転パターンも、通常の小惑星が示す放物線軌道とはまったく異なる。

かくしてオウムアムアは、一躍「エイリアンの探査機」「UFO」と世界を沸かしたのだった。

色・成分・軌道の理論から「自然な天体」と結論

研究チームはオウムアムアの正体を突き止めるため、これまで発表されたすべての論文を分析し、オウムアムアが元々いた太陽系外の地点から太陽系まで飛行してきたメカニズムをあらゆる観点から検討した。

その結果、オウムアムアの赤みを帯びた色や岩石などの成分が自然の小惑星と共通しており、奇妙な加速についても、加速の程度を考えれば少量のガスでも起こりうるため、噴出が地球から観測できなかったとしても不思議ではない、という結論に至った。

軌道の理論に照らしても、このような小天体が太陽系外からはるばる飛来して来る可能性は十分にあると説明し、UFO説を覆した。

研究チームは、オウムアムアが他の天体を周回する巨大なガス天体から飛び出した小天体である可能性を一例として挙げている。飛び出した小天体の一部が太陽の重力の影響を逃れ、恒星の間をさまよう旅人となったのだ。

一説によると、木星は同様のメカニズムでオールトの雲を作り出したといわれている。

さらにオウムアムアのような恒星間天体は、今後地球近くに毎年飛来する可能性もあるという。オウムアムアがその第一号というわけだ。

そうすれば、オウムアムアが奇妙なものなのか、それともごくありふれたものなのか、自ずと答えは出るのだろう。

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reference: phys.org / written by まりえってぃ

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