奇妙な軌道を描く小惑星を発見! 地球と太陽のはざま

space 2019/07/10

Point

■地球と太陽との間を公転する小惑星が新たに発見される

■この小惑星は、太陽系にある惑星の軌道面と垂直に公転していることが判明

■垂直な軌道面のせいで太陽の光に隠れてしまい、発見が遅れた

先日8日、カリフォルニア工科大学の研究チームなどによって、地球と太陽との間を公転する小惑星が新しく見つかった。

小惑星は「2019 LF6」と名付けられ、詳しい調査が進められている。発見したカリフォルニア工科大学の研究チームによれば、LF6が地球に衝突する可能性は今のところないそうだ。

しかしLF6の公転軌道を調べてみると、その他の小惑星について安心できない結果も判明している。

LF6小惑星の奇妙な軌道

カリフォルニア・パロマー天文台の観測で発見されたLF6は、かなり風変わりなルートで公転している。

まずはその軌道を見ていこう。軌道面は楕円形を描き、太陽の周囲をちょうど151日で1周する。

軌道円の一方では水星軌道よりも太陽に近づき、他方では金星軌道よりも太陽から離れる。ただ地球軌道の内側にはしっかり収まっているようだ。ちなみに水星の公転周期は88日、金星は225日である。

下の動画を見ると分かりやすい。

ところが最も奇妙なのはその軌道角度だ。

太陽系内にある惑星の軌道面が全体的に水平に並んでいるのに対して、LF6はその面と垂直になるように公転していることが判明した。

これについて研究チームのトム・プリンス氏は「おそらく小惑星が水星か金星のどちらかに近づきすぎたせいで、重力により軌道を変えられ、太陽系の水平な軌道面から投げ飛ばされたのだろう」と推測している。

衝突について安心できない理由とは?

実は地球の公転軌道内で発見された小惑星はこれまでに20ほど見つかっており、それらは一括して「Atira」と呼ばれている。

その中でも今回のLF6は直径が1kmに及ぶ比較的大きな小惑星であり、地球に衝突すると甚大な被害をもたらす恐れがあるのだ。

だがLF6の将来の軌道をコンピューターでシミュレーションした結果、地球に対する衝突の危険性はほとんど0と分かった。

しかし安心してはならない。NASAによる地球付近の小惑星探査ミッションは1998年から始まっているにも関わらず、地球に近いLF6の発見が今日まで遅れていたのには理由があるのだ。

Credit:howstuffworks

先の記したように、LF6の軌道面は太陽系惑星の軌道面と垂直にある。そのことで小惑星が太陽の光に隠れてしまい、地球から観測を行うことが困難になっていたのである。

これは例えば、世界大戦中にパイロットが太陽の光に隠れて上方から敵機に近づいたのと同じような動きと言える。LF6も夕暮れ時の観測でようやく発見に至っているのだ。

もしLF6以外にも太陽に隠れている小惑星があるとしたら、しかもそれが地球に衝突する潜在的な危険性のあるものだとしたら、衝突直前になるまでその存在に気づけない可能性もあるのだ。

そうなる前に太陽光を避ける効率的な小惑星の探査法が見つかることを願いたい。

reference: howstuffworkscnetcaltech.edu / written by くらのすけ

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