「鉄の殻」を持つカタツムリが絶滅の危機に

animals_plants 2019/07/25
Credit:dsmobserver

Point

■2001年にインド洋の海底で、鉄の貝殻を持った海のカタツムリが発見された

■鉄の殻は、生息域となる「熱水噴出孔」から出される数百度の熱水にも耐えられる強度となっている

■しかし海底採掘の影響で生息域がなくなり始め、すでに絶滅危惧種に指定されている

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ウロコフネタマガイ(Chrysomallon squamiferum)」は、2001年にインド洋の海底で発見されたばかりのウミカタツムリです。

その最大の特徴は鉄でできた貝殻を持っているということ。

世界でもインド洋にある3か所の熱水噴出域でしか見つかっていない貴重な生物ですが、人の海底掘削作業による影響で住む場所が消えつつあるようです。

研究の詳細は、7月22日付けで「Ecology & Evolution」に掲載されました。

Red Listing can protect deep-sea biodiversity
https://www.nature.com/articles/s41559-019-0930-2

数百度の熱水に耐えられる鉄の貝殻

ウロコフネタマガイが生息する「熱水噴出孔」は海底数千メートルにあり、数百度の熱水が噴出する場所です。2001年に発見されたウロコフネタマガイが生息していた場所は、最大深度2900mに達していたといいます。

彼らが持つ鉄の殻は「石灰化した内側」「有機質の中間」「鉄の硫化物で強化された外側」の3層構造になっており、天敵やライバルだけでなく、噴出孔の熱水にも耐えられる強度があります。

また最大5cmほどのサイズの割には、非常に大きな心臓を持っています。専門家によると、これは体内に共生している細菌が必要とする酸素量や栄養を補うためだそうです。

FFの敵キャラのよう。 / Credit:dsmobserver

このように、不安定な熱水環境で生き残るための進化はしているのですが、深海での採掘作業により引き起こされる深刻な生息域破壊には対応できないのだとか。

現在、ウロコフネタマガイが発見された3箇所の噴出孔のどの場所でも保護活動は行なわれておらず、反対にそのうちの2箇所ではすでに採掘開始の許可が下りています。

さらウロコフネタマガイが他の環境でも生息可能なのかは分かっておらず、保護も難しい状況。そして今月18日には国際自然保護連合(IUCN)によって正式に絶滅危惧種指定を受けています。

まだ人類にその存在が知られてから十数年しか経っていないウロコフネタマガイ。なんとか救済の道を見つけて欲しいものです。

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reference: livesciencedsmobserver / written by くらのすけ

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