常に視線を感じる図書館がオープンする

spot 2017/12/04
フリーメーソンのプロビデンスの目。人類を監視しているという噂。

最近その発展ぶりが話題になっている中国。この巨大図書館を見れば、それも納得かもしれません。

中国といえば一党独裁、強固な監視体制が進んでいるイメージですが、公共安全に対する監視体制は、欧米をも先んじている可能性があるとか。

さて今回は、中国の監視といっても物理的な監視ではなく、「見る」「見られる」といった関係性を生むデザイン上のお話です。

本を読んでいる間、いつでも「一つの目」の視線を感じられちゃう図書館が中国天津にオープンしました。何かのマニアにはたまらないヤツです。

Credit: dezeen.com / 図書館自体が巨大な目に見える

オランダの建築会社MVRDVは、中国天津市に巨大な目のように見える公共図書館を建築しました。天津濱海公立図書館の吹き抜けの空間は、建物のガラス張りの正面から立体的な眼球のように見えるよう意図的に設計されています。

図書館は5階建てで、天井から床まで、至る場所が本棚と本でレイアウトされています。中央ホールの球体は瞳孔をイメージしており、建物が眼の形を形成するため、それぞれの階段は異なる幅で設計されているそうです。

眼球のボール部分にはさわることができず、「その眼球のために簡素化した空間を作り上げていきました」と、MVRDVの共同設立者ウィニー・マース氏は語ります。

棚の曲線は、来館者が座って本を読める場所となっています。それらは正面ガラスのまで続き、よろい窓の役割をし、太陽の光を遮るように設計されています。
マース氏は、「洞窟のようにつながった本棚」と表現しています。「私たちは、洗練されたリビングルームを中央に配する美しい公共空間を造った」と彼は言います。

本棚は座りやすい空間でありながら、同時に上の階にも行ける階段になっています。この様々な角度と曲線は、読む、歩く、会う、話し合うという多様な利用を活発化させます。これらは、「眼」の建築様式により、建物と来館者が「見る」、そして「見られる」関係にあるのです。

この地域の基本計画は、ドイツの建築会社GMPにより立てられました。しかし、MVRDVは、この全ての計画が配分された場所に収まらない事を知り苦心しました。それが結果的に、建物の中央にユニークな「瞳孔」を作ることにつながったのです。

33,700平方メートルのこの建築物は、オランダ企業の中で最速のプロジェクトであり、最初の草案から開館セレモニーまで、わずか3年という期間での完成でした。

早期の進捗計画は、いくつかのデザインに問題を起こしました。アクセスルームの撤去が決まった後で、MVRDVは地元のチームからアドバイスを受け、吹き抜けの上部は現在は直接行くことができないようにしました。

ここで誰もが抱く疑問が浮上します。

果たして、最上部の本はどうやって取るのでしょうか

結果的に、これらの棚にある本は、本に見えるように印刷されたアルミニウムが貼られているだけで、ニセモノの本のようです。そこにレアな本を置いたら夢があると思うのですが、少しだけロマンが薄れます。

この図書館にはメインホールからアクセスできる教育施設があり、地下室には古書や特別な本を保管しています。

児童や年配者が読書するスペースは一階に位置しており、1階と2階には読書室とラウンジがあります。上の階には会議室、事務所、コンピューター室、そして2箇所の屋上テラスがあるようです。

天津濱海公立図書館は、GMPが運営する新しい展示センター、ベルナール・チュミ建築・ビングソム建築・HHデザインによる文化建造物の周辺に位置します。この五つの建築物は、ガラスの天蓋と廊下でつながっています。

今回の「浜海文化中心図書館」が作られた天津市は、習近平氏が定めたビッグデータ産業中核都市の内のひとつです。今後どのようなユニークで豪華な施設が作られていくのか、こちらも「目」が離せません。

 

via: dezeen.com / text by nazology staff

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