心の不安を「予防」する方法とは  鍵は他人との接し方

psychology 2019/08/10
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Point

■厚生労働省の調べによると、精神病疾患で医療機関へかかる人の数は近年増加の一途を辿っている

■精神疾患も他の病と同様、早期に対策をせずに放置し続ければ、やがて重篤な症状につながる恐れがある

■不安の解消法について、心理学者は「思いやり」を持つことがとても効果的であることを指摘している

厚生労働省の調べでは、近年の精神病疾患で医療機関へかかった人の数は、全国で300万人を超えており、増加傾向が続いていると言います。

確かに現代の私達にとって、精神を病むことは身近な問題になっています。

精神疾患は客観的な評価が難しく、周りも本人も自覚がないまま、重篤な症状へと発展してしまう場合があります。

精神疾患も風邪と同様に、日常的にかかる恐れのあるありふれた病気と思って、日頃から心をケアする方法を身につけ、負担を蓄積して重症化させないようにすることが大切です

しかし、実際に何をすることが効果的なのでしょうか? 風邪と同様に帰ったら手洗い、うがいをするような予防方法があるのでしょうか?

「思いやり」が効果的?

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これについて、テキサス大学オースティン校のクリスティン・ネフ博士は、ストレス要因となる不安の解消に「思いやり」が効果的であることを指摘しています。

精神を病む原因の1つは、絶え間ない不安やストレスにより、緊張状態が慢性的に続いてしまうことにあります。こうした身体の異変については、スタンフォード大学の精神外科医であるJames R.Doty医師が語っています。

「ストレスは、常時続く緊張状態を作り、賢明な判断を下す能力を低下させてしまいます。これは私達を騙されやすくしたり、政治的な問題に影響を受けやすくしてしまいます」

ダービー大学心理学者Paul Gilbert博士は、自分に対して「負け組」と思い込んだり、「全然ダメだ」と自分の状態を評価したりするような、自己批判がストレスの原因になるという指摘をしています。

そして、このGilbert博士もまた、「思いやり」の感情が不安解消に大きな効果を持つことを指摘しています。

多くの心理学者が指摘する、思いやりの持つ意外な効果とは一体何なのでしょうか?

心の余裕がストレスへの防衛になる

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ストレスの原因は、余裕の無い生活や強い不安によって引き起こされます。

この不安は、反射的に起こる物事への批判的な衝動が原因と考えられるのです。

こうした感情は主に他人の失敗に対して向けられるものですが、これが習慣づいてしまうと、知らぬ内に自分自身に対しても過剰に批判的な思考が形成されてしまうのです。

これが多くの人にとって、不安を増長させる要因となっており、強いストレス要因になっていると考えられます。

これを解消するために重要な方法が、他人に「思いやり」を持つこと。

心を守る重要な方法は、ネガティブな考えに囚われないようにすることであり、その訓練として他人の失敗や言動に寛容に接する努力が効果的というのです。

思いやりを育てることは、自身の視野を広げて世界の見方を変え、ストレスを軽減させます」とDoty医師は語ります。

すぐに実現することは難しいかもしれませんが、まず何に対しても、反射的な衝動で攻撃的な反応を示したりせず、意識的にゆっくりと深呼吸をして、一旦立ち止まって考えるようにしましょう。

苛立つような行為や、発言をする相手がいたとしても、誰もが似たような悩みや不幸を抱えていて苦しんでいると理解すれば、寛容になれるはずです。

こうした思いやりを持った対応をとり、すぐに攻撃的に対応しないことは驚くほど健康に良い効果を発揮するといいます。

イラつく上司を相手にするにしても、「なんだこのハゲ地獄に落ちろ」みたいなことは考えず、「なにか嫌なことでもあったのかな」と軽く流して、自分自身に否があって小言を言われていると捉えないことが大切です。

こうすれば、自分に対しても優しくなることができ、結果的に不安な衝動を抑えることにつながるのです。

なんでもかんでも寛容になるのは難しい話ですが、ネットをやっていると、すぐ批判的になる癖のついている人は多いでしょう。

罵声を上げながらゲームしたりするのも、ストレス解消になっているようで、実は自分自身を責めるきっかけを作り出しているのかもしれないので、ちょっと気をつけてみると良いかもしれません。

精神病リスクを持つ人の「会話の特徴」とは?

reference:psychologytoday,厚生労働省/ written by KAIN

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