水素燃料で動く史上最大の「水素飛行機」がテスト飛行に成功

technology 2019/08/16
Credit: ZeroAvia

Point

■水素燃料を用いたゼロ・エミッション飛行機として史上最大のものが、実際の飛行テストに成功

■技術提供をしたZeroAvia社は、2022年に20座席の飛行機に最長800kmの飛行が可能なパワートレインの供給を予定している

■環境に優しくコスト削減にもつながるため、航空産業の救世主となる可能性を秘めている

航空機の代替燃料は、車に比べるとまだまだ遅れているのが現状。しかしジェットエンジンの汚染を考えると対策は必須でしょう。

そこで昨今、航空機にもゼロ・エミッションの風を起こそうという動きが少しずつ出てきました。

そこで活躍が期待されているのが、水素燃料で動くZeroAvia社の「水素飛行機」です。

ゼロ・エミッションを実現

数ヶ月前の金曜日の午後、ZeroAvia社の水素飛行機が、カリフォルニア州の街ホリスターで6人乗りのテストに成功しました。

化石燃料の助けをまったく受けないゼロ・エミッションの飛行機としては、史上最大のサイズです。

同社は水素燃料で動く飛行機内部の電動パワートレイン(エンジンで発生した回転エネルギーを駆動輪に伝える装置)を開発して数年間、この新たな技術のテストをおこなってきました。

同社は2022年に、20座席の飛行機に最長500マイル(約800km)の飛行が可能なパワートレインの供給を予定とのこと。

Credit: ZeroAvia

航空業界は、年間でおよそ9億トンのCO2削減を迫られており、他のスタートアップ企業も技術改善に努めてきましたが、そのほとんどが電力を蓄えておくためのバッテリーの強化に頼ったものでした。

そんな中ZeroAvia社は、水素の利用にアドバンテージを見出します。同社の設立者でありCEOのヴァル・ミフタホフ氏いわく、水素燃料電池を用いたシステムは、現在利用されている最良のバッテリーの約4倍のエネルギー密度の実現が可能であるとのことです。

従来型飛行機の半分のコスト

ZeroAvia社のパワートレインを利用することは環境に良いだけでなく、航空会社にとっては当然ながらコスト削減にもつながります。

同社の試算によると、メンテナンスが簡単なことも考慮に入れれば、従来型の飛行機のおよそ半分のコストでの運航が可能とのことです。

今のところ水素テクノロジーを用いた飛行機の運航距離は限られていますが、将来的にはさらに長時間の飛行に耐えうるものになることが考えられます。

また、この新たな技術を搭載した飛行機は、現在あまり利用されていない地方の空港での活用も期待されており、旅行者にとっては魅力的な選択肢になるのではないでしょうか。

Credit: ZeroAvia

ZeroAvia社はすでに、いくつかの航空会社とコンタクトをとっており、たとえばノルウェーのような国でいち早くこのテクノロジーが採用されるかもしれません。ノルウェー政府は、2040年までに飛行機による100%のゼロ・エミッションを目指している国です。

またノルウェーだけでなく、航空業界全体が排出ガスを減らす方向で動いていることは確かです。航空産業界は、2050年までに2005年と比較して排出ガスを半分に減らすことを目指しています。

今回は実際に小型飛行機のテストにも成功しているし、期待度は高いでしょう。あとは交通規制との戦いになりそうです。

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reference:IEEE spectrum ,fastcompany, / written by なかしー

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