地球に隠されたタイムカプセル。地球創生期に作られたダイヤモンドがブラジルで発見される

geoscience 2019/08/18
Credit: depositphotos

Point

■ブラジル中西部で地球初期に生成されたダイヤモンドが発見される

■分析の結果、ダイヤモンドは「ヘリウム3」を含む割合が大きいことが判明

■地質学的構造から生成場所は地下410km〜660kmと考えられ、そこに「ヘリウム3」を保存する貯水池のようなものがあると推測される

まさに地球のタイムカプセルです。

ブラジル中西部の町ジュイナにある小さな鉱山から、地球創生期に誕生していたダイヤモンド(superdeep diamond)が発掘されました。

調査を行なったオーストラリア国立大学の研究チームによると、ダイヤモンドは当時の環境状態を保存しており、初期地球について理解するための大きな手がかりとなるとのことです。

そしてダイヤモンドを分析した結果、地球の深部にはヘリウム3を閉じ込めている貯水池のようなものが存在する可能性が高いことが判明しました。

研究の詳細は、8月16日付けで「Science」に掲載されています。

Primordial and recycled helium isotope signatures in the mantle transition zone
https://science.sciencemag.org/content/365/6454/692

地中深くに古代の貯水池が隠されている!?

ヘリウム3は8種類の存在が知られているヘリウム同位体の一つであり、ヘリウム4とともに安定した同位体であることが知られています。

一方で地球上にあるヘリウム3の割合は、4に比べて100万分の1しかありません。マントル内で自然に生成したヘリウム3のほとんどは、地球初期に宇宙空間へと散逸し、一部が地中に蓄積したと考えられています。

対するヘリウム4は、放射性元素の崩壊によって生成され、地球上にも豊富に存在しています。なので鉱物の中に発見される両者の割合はヘリウム4の方が圧倒的に多くを占めるはずです。

ところが今回発見されたダイヤモンドでは、ヘリウム3の占める割合が大きく、ヘリウム4は小さいことが分かりました。研究主任のシュゼット・ツィンメルマン氏は「この比率からダイヤモンドが生成された場所には、ヘリウム3を多く保存している貯水池のようなものが存在する」と推測しています。

またダイヤモンドの地質学的な構造から、その生成場所が地下410km〜660kmの間にある「遷移層」であることが分かっています。ツィンメルマン氏は、貯水池もその付近か、あるいはもう少し深い場所にあるといいます。

Credit: phys

地球の創生期には活発な火山群と浅い海が大地を覆っており、今日では想像もつかない世界でした。その頃に作られたダイヤモンドは数十億年もの間、当時の状態を保持したまま今日まで生き延びているのです。

決して宝石店で見るような美しさはありませんが、見た目以上の価値を持っていると言えます。ツィンメルマン氏はダイヤモンドについて「地球の過去を隠し持つタイムカプセルであると同時に、地中深くから現れるメッセンジャーだ」と褒め称えています。

今後も新たなタイムカプセルの発見に期待しましょう。

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reference: inverse / written by くらのすけ

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