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意義のある人生は「極端な経験」で手に入る

2021.01.27 Wednesday

2019.08.27 Tuesday

Credit: pixabay

Point

■「意義ある人生」を送る上で重要なのは、ポジティブであれネガティブであれ「極端な経験」をすること

■これまでの研究では、ポジティブな経験とネガティブな経験は対立するものとして捉えられていたが、新たな研究ではそれらを「同種のもの」として考える

■人間が「ホラー映画を観る」などの経験を喜んでおこなうのは、積極的にネガティブな経験をすることで、人生の意義を高めようとしていることが考えられる

「意義ある人生」とは一体どういったものを指すのでしょうか?

この難問に対して、これまで研究者たちは、人生における「ネガティブな経験とポジティブな経験のバランス」に焦点を当てて研究をおこなってきました。

しかし、メルボルン大学の研究者らによる新たな研究が、そうしたバランスよりも、ネガティブであれポジティブであれ、人生で「感情的に極端な経験」をしたかどうかがカギを握っていることを示しています。

ポジティブとネガティブは「似たもの」

これまで「ポジティブな感情」に焦点を当ててきた研究の多くが、生活の中でポジティブな経験が多い人ほど、人生に意味を見出しやすいといった結論を出しています。

それとは対照的に、「意義のある人生を作る」といった点にフォーカスした研究の多くは、ストレスフルなイベント、すなわち「ネガティブな感情」に対処した経験が多いほど、意義のある人生を作っていけると結論づけています。

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これら2つの分野は、互いに独立した研究対象としてみなされてきたため、意義ある人生を歩む上で、「ポジティブな感情」と「ネガティブな感情」のうちどちらが重要であるのかといった答えを出すことは非常に困難でした。

しかし新たな研究で試みられたのは、まったく新しいアプローチです。「ポジティブな感情」と「ネガティブな感情」が、必ずしも対立するものではないと主張しています。意義ある人生に対しては、両者は似た役割を果たしているというのです。

注目すべきは両者のバランスではなく、ポジティブであれネガティブであれ、どれほど極端な感情を経験したのかが大事になるといいます。

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