単一原子のセンサーでも「3D」感知できる技術が登場

science_technology 2018/03/27

オーストラリアのグリフィス大学の研究者たちが、単一の原子をセンサーとして使う驚くほど正確な測定技術を発表しました。

その精度は、100ゼプトニュートン(ゼプトは0.000 000 000 000 000 000 0001)。これは非常に小さな力で、引力に例えると、オーストラリアのブリストンにいる人とキャンベラにいる人の間で引き合う力に相当します。

A single-atom 3D sub-attonewton force sensor
http://advances.sciencemag.org/content/4/3/eaao4453

これまでの似たような技術では、センサーとして多くの原子を使い、1次元方向でしか測定できませんでした。今回、単一原子をセンサーにし、三次元での計測を可能にして、精度を高められたことは非常に大きな進歩と言えるでしょう。

Credit: Wikipedia / 平凸レンズ(上)を厚みが一定のフレネルレンズ(下)となるように分割した場合の断面図

この測定を可能にしたのが、超小型の分節型フレネルレンズ。フレネルレンズとは、同心円状のギザギザを刻んで薄くしたレンズで、老眼用の大きなぺらぺらの読書用レンズなどに使われています。このレンズを使うと、超高精度な単一原子の像を観測でき、ナノメートルの精度で三次元の位置変化を検出できます。センサーに使ったのは電子が一つ欠けた原子で、電場の変化に敏感に反応します。研究者たちは、位置の三次元変化を観測するために、わざとピントをずらしました。原子は、ピントが合う方に動いたり、さらにピントが外れる方向に動いたりしたので、その距離を三次元で測ることができました

この測定装置は多くの技術へ応用ができます。たとえば磁力、原子力、量子、表面現象などの基礎物理や、量子コンピューター、または生物分子の周りにできる電場を測定し、その振る舞いを研究することも期待できそうです。

 

via: Phys org/ translated & text by Nazology staff

 

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