古代ギリシャ人はクレーン登場の150年前にリフトを使用していたことが判明

history_archeology 2019/08/30
Credit: Alessandro Pierattini

Point

■重い石などを持ち上げるリフトの技術が、古代ギリシャで従来考えられてきた約1世紀半前に始まっていたことが判明

■綱を用いたこのリフトシステムには、200〜400キロの石を持ち上げる能力があったと推測される

■ブロックは、底に敷かれたローラーとレバーを組み合わせた装置を使って、最終的な位置へ転がされていた可能性も

30年前に発掘された「ヴァンパイア」の正体が判明

高度な工業技術を誇った紀元前6世紀後半頃のギリシャでは、現在使われているクレーンの原型がすでに存在したと考えられていました。

ところが、そのクレーンが登場する1世紀以上前の紀元前8世紀初め〜7世紀半ば頃に、古代ギリシャ人がリフトを使いこなしていた可能性が明らかになりました。

研究を行ったのは、米ノートルダム大学で建築の歴史を研究するアレサンドロ・ピエラティニ氏ら。論文は、今年の「Annual of the British School at Athens」に掲載されています。

INTERPRETING ROPE CHANNELS: LIFTING, SETTING AND THE BIRTH OF GREEK MONUMENTAL ARCHITECTURE
https://www.cambridge.org/core/journals/annual-of-the-british-school-at-athens/article/interpreting

200〜400キロ級の石を持ち上げるパワフルさ

ピエラティニ氏は、イスミアやコリンソスといった、古代都市のギリシャ寺院に使用されている石のブロックを分析しました。

ヒントになったのは、この時代のブロックに刻まれた縄型の溝です。縄が用いられた目的が、ブロックを持ち上げるためだったのか、採石場から引っ張って運んでくるためだったのかについてはいくつかの議論が展開されてきました。

しかし今回、採石場から運ばれてくる時点では、ブロックに溝は彫られていなかったことを示す証拠が見つかったのです。このことは、石を最終的な位置に設置するまでは溝が不要だったことをさらに色濃く示しています

Credit: Alessandro Pierattini

そしてブロックの溝を分析し、当時使われていたであろう縄を用いて実験を行いました。溝の深さ、ブロックの最大重量、縄の強度を総合的に検証した結果、綱を用いたリフトシステムに200〜400キロの石を持ち上げるだけの能力があったことが結論付けられたのです。

ローラーとレバーを組み合わせた精緻な装置も

Credit: Alessandro Pierattini

さらにブロックの中には、縄型の溝以外の切れ込みや溝が入ったものもありました。これらのブロックは、リフトを使って持ち上げられた後に、ブロックの底に敷かれたローラーとレバーを巧みに組み合わせた装置を使って転がすようにして、最終的な位置へ移動されていた可能性を示しています。これは、ギリシャ建築でレバーが使用されたことを示す初の証拠です。

古代ギリシャの建築技術は、私たちの予想を遥かに越えたものだったようです。

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reference: sciencealert / written by まりえってぃ

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