白いメンフクロウは月明かりを反射させて獲物を仕留めていた

animals_plants 2019/09/07
メンフクロウ / Credit: depositphotos

Point

■世界中に生息するメンフクロウには、赤茶色の体毛をした個体の他に真っ白な羽毛を持つものが存在する

■夜行性のメンフクロウは夜に狩りをするが、赤茶色よりも月明かりに目立つはずの白い個体の方が狩りの成功率が高かった

■獲物となるネズミは明るい光に対する本能的な恐怖を持っており、白い羽毛に反射する明かりがその役割を果たしていた

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夜行性の猛禽類を象徴する鳥として知られる「メンフクロウ」は、南極大陸を除くすべての大陸に生息しています。

メンフクロウの特徴は、同種間でも体毛の色が個体で異なることです。赤茶色の羽の個体がいる一方で、雪のように真っ白な羽を持つ個体もいます。

長年専門家たちを悩ませてきたこの問題が、スイス・ローザンヌ大学の研究によりついに解決されました。なんとメンフクロウの白い羽毛は、月明かりを反射して獲物となるネズミに恐怖を与える機能があることが判明したのです。

白い羽毛は、夜行性の動物にとって目立って不利になるかと思いきや、赤茶色のメンフクロウよりも狩りの精度が高いこというのです。

研究の詳細は、9月2日付けで「Nature Ecology & Evolution」に掲載されました。

Differential fitness effects of moonlight on plumage colour morphs in barn owls
https://www.nature.com/articles/s41559-019-0967-2

白いフクロウの方が狩り上手?

夜の森の明るさは、月の周期によって変わります。

例えば、新月()のときに外に出ると懐中電灯が必要なくらい暗いものですが、反対に満月の夜では人工灯がいらない程の明るさが保たれています。

こうした状況を考えると、満月のような明るい夜では、獲物となる齧歯類(ネズミ)に見つかりやすいため、フクロウのハンティング精度は落ちると思われます。さらに、赤茶色よりも白色の方が月明かりを反射しやすいので、白のメンフクロウは余計に狩りの難度が上がるはずです。

白いメンフクロウと赤茶色のメンフクロウ/Credit:theconversation

ところが、20年以上にわたる研究チームの追跡調査の結果、予想外の結果が確認されました。

データによると、メンフクロウはやはり月が明るい夜に狩りの成功率が落ちていたのですが、この法則が当てはまったのはなんと赤茶色の個体だけだったのです。

反対に、白いメンフクロウは月の明るい満月の夜でも、新月のときと同等のハンティング精度を保っていました。もちろんこれは、白いフクロウの方が身体的に優秀だからという理由によるのではありません。

ネズミは反射光に恐怖感を抱く

この原因を解明するために、研究チームはカメラやGPSトラッキングを用いて、獲物となるハタネズミ側を細かく観察しました。

確かにネズミは満月の夜になると、体の色に関係なくメンフクロウを先に見つけるチャンスが多くなります。するとネズミは固まって不動状態になり、危機が去るのをじっと待って、良きタイミングで逃走します。これが獲物となる生物の一般的な対応行動です。

しかし面白いことに、ネズミは白いメンフクロウに遭遇したときだけ、不動状態の継続時間が長くなることが判明しました。

飛行中のメンフクロウ/Credit:ja.wikipedia

これは白い羽毛に反射した月の光によって恐怖感が生じ、動けなくなることが原因だといいます。専門家によると、ネズミのような齧歯類は明かりに晒されると恐怖反応を引き起こす傾向があり、反射光の恐怖は本能的として深く根付いているのです。

つまり、ネズミはメンフクロウの白い羽に反射する光を目にすると本能的な恐怖状態に陥り、返って身を危険に晒す機会が多くなっていたのだと考えられます。

メンフクロウがそれを知って、羽毛を白色に進化させたのかは分かりませんが、こうした関係性が弱肉強食の世界に付き物なのは確かです。

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reference: theconversation / written by くらのすけ

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