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孤独にも種類がある。「実存的孤立」を感じる人は死を連想しやすい? (2/3)

2021.01.27 Wednesday

2019.09.04 Wednesday

前ページ2つの調査から見えてきた相関

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実存的孤立が不安バッファーを弱体化

自尊心や信仰といった「不安バッファー」には、「避けられない死への不安」や「人生の無意味さ」などの実存的不安を和らげる緩衝材としての機能があります。

不安バッファーは究極的には、社会的検証を通じて構築・維持されます。つまり、不安バッファーの強度と有効性は、周囲にいる他者が「自分の世界観は意味があり、正当だ」ということにどの程度同意するかに、一部依存しているということです。

Credit: depositphotos

ヘルム氏はこのことから、「実存的孤立が不安バッファーの働きを弱める」という結論を導き出しています。言い換えると、自分の経験の妥当性が社会に認められないという経験が、不安バッファーを弱体化する作用を持つということです。

また、この論文で報告しているすべての調査を通じて、実存的孤立と孤独が、同じ効果を生むわけではないことが分かりました。実存的孤立は孤独の一形態では決してなく、二者は似て非なるものであるということです。

次ページ一般化可能性は限られるが…

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