2025年宇宙の旅へ。世界初の「大型宇宙ホテル」の開発が進行中

fun 2019/09/04
Credit:THE GATEWAY FOUNDATION
Point

■観光客が宿泊できる宇宙ホテル「Von Braun Space Station」の開発が進行中

■デザインは、ロケット科学者のフォン・ブラウン博士が1956年に構想していたものにインスパイアされている

■施設は同心円のリングを回転させることで、地球の約6分の1の重力を作り出せる

宇宙開発会社「Gateway Foundation」は現在、一般人も利用できる宇宙ホテル「Von Braun Space Station」の開発計画を進めています。

設計を担当した同会社のティム・アラトール氏によると、このデザインはナチスドイツ時代のロケット科学者ヴェルナー・フォン・ブラウン博士(1921-1977)が、1956年に構想していたコンセプトに基づいているとのこと。

宇宙ホテル「Von Braun Space Station」の名前も、このフォン・ブラウン博士に由来しています。

ではブラウン博士のデザインと宇宙ホテルの完成図を見比べてみましょう。

正面奥がブラウン博士/Credit:youtube
「Von Braun Space Station」の完成図/Credit:dezeen

やはりインスパイアされているだけあって、そっくりな作りですね。

どちらも映画『2001年宇宙の旅(1968)』に登場する「ステーション5」さながらの外観です。キューブリックもフォン・ブラウン博士のデザインを気に入っていたのでしょうか。

『2001年宇宙の旅』の「ステーション5」/Credit:youtube

「Von Braun Space Station」は2025年までの実用開始を目指しているとのこと。

地上にいるような快適スペース

この宇宙ホテルは2つの同心円リングから成っており、リングが回転することで地球の約6分の1の重力を作り出すことができます。

ステーションの直径は190mあり、400名ほどを収容できる広さを持っています。24の宿泊施設が設けられており、それぞれにトイレやシャワー、キッチン、バーカウンターなどが完備される予定です。

他にもレストランやコンサート会場、映画鑑賞スペース、セミナー会場等が設けられます。また部屋のいくつかは個人用住宅として購入可能で、研究目的として学者や政府機関に貸し出すこともできます。

Credit:dezeen

ステーションや各部屋の内装には、地上と同じような落ち着いた色や家具が使用される予定です。

アラトール氏は「『2001年宇宙の旅』に登場する宇宙ステーションは、博物館のように一面白で統一されていて、とても落ち着くことができない」と話しています。

なるべく地上にいるときと同じ快適な空間づくりを心がけているとのこと。

Credit:dezeen

フォン・ブラウンはナチスの科学者だった

ステーション名の由来となっているヴェルナー・フォン・ブラウン博士は、第二次世界大戦中にナチス・ドイツでV2ロケットの開発に当たっていた科学者でした。1943年当時、劣勢に立たされていたヒトラーは、ロンドン爆撃の報復兵器として「V2ロケット」をブラウン博士に開発させたのです。

しかしブラウンは、兵器としてのロケットよりも、地球軌道や月まで飛ばせるロケットの開発に並々ならぬ熱意を持っていました。それが災いして、博士は国家反逆罪に問われナチスに逮捕されてしまいます。

その後釈放されたブラウンは、終戦期にアメリカへ亡命。数多くの宇宙開発に携わり、NASAのサターンロケット開発やあのウォルト・ディズニーの映画製作にも技術監督して参加しました。

ウォルト・ディズニー(左)とフォン・ブラウン(右)/Credit:ja.wikipedia

ナチスに協力した過去について多くの批判もありましたが、宇宙開発への熱意は死ぬまで変わりませんでした。

その熱意はついに、世界初の商業用宇宙ホテルとして結実しようとしています。ブラウン博士の意志を受け継いだアラトール氏は「宇宙への旅が休暇における一つの選択肢となることを願っている」と話しました。

皆さんも2025年宇宙の旅に出かけてみませんか?

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reference: futurismdezeen / written by くらのすけ

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