「情報量」と「スピード」は表裏一体
研究者らはその情報の含有量に着目し、ヨーロッパからアジアに至るまでの国々の、17の言語における170人のネイティブスピーカーの音声を調査しました。スピーカーたちに与えられたタスクは、およそ240,000のシラブルから成る15のテキストを読み上げるといったものです。
そして「情報の含有量」と「話すスピード」を考慮に入れて、それらを分析した結果、一定時間における情報の伝達量は、どの言語でもおおよそ変わらないといったことが分かったのです。
17の言語を平均すると、スピーカーは毎秒39.15ビット(39.15bps)の情報を有するスピードで喋っていたことになります。他にも興味深いことが判明しており、男性よりも女性の方が、ゆっくりと話す傾向があったとのことです。
言語が持つこの文化的、生物学的な2つの要素は、コインの表と裏のような関係にあります。文化的な要因である言語が生み出されると、その情報量に対応した速度で話者が話し始めるということです。
すなわち、人類見た目こそ異なれど、その脳の作りはほとんど同じなのであり、言語が変わったところで処理能力に変化はないのです。
ある言語が「早口だなぁ」と感じることがあるかもしれませんが、冷静になって処理してみると、同じ時間に伝わっている情報量は母国語と同じであることに気がつけるかもしれませんね。