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運動した直後の「うがい薬」は血圧低下を妨げる

2021.01.28 Thursday

2019.09.08 Sunday

Credit:depositphotos

Point

■運動直後に「うがい薬」を使って口内洗浄をすると、血圧の低下を妨げてしまうことが判明

■血圧の低下は、血管内で「一酸化窒素」が作られ血管が拡張することで、血流の圧力が分散されることにある

■この一酸化窒素が体内で作られるメカニズムの中で、口内バクテリアが重要な働きをしている

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運動した直後に「うがい」していませんか?

軽いエクササイズは血圧を下げるためにとても役立つ健康法ですが、プリマス大学(英)とスペイン・バレアレス諸島大学(西)の研究により、不思議な事実が発覚しました。

なんと運動後すぐに「うがい薬」を使って口内を洗浄すると、血圧を下げる働きが妨げられることが分かりました。つまり、うがい薬を使うことで、エクササイズの効果を落としてしまっている可能性があるのです。

研究チームのロール・ベスコ氏によると、これは口内に住む細菌の重要な働きが損なわれることが原因だと言います。一体、口の中の最近はどんな仕事をしているのでしょうか。

研究の詳細は、「Science Direct」上に掲載されています。

Post-exercise hypotension and skeletal muscle oxygenation is regulated by nitrate-reducing activity of oral bacteria
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0891584919307610?via%3Dihub#!

エクササイズのメリットとは

まずは、運動をすると血圧が下がるメカニズムについて見ていきましょう。

体を動かすと、体内の血管内で「一酸化窒素」という化学物質が作られ、血管は大きく広がっていきます。このプロセスを「血管拡張(vasodilation)」と呼びます。

血管が拡張されると、当然ながら血管にかかる圧力も分散されるので、血流が良くなり血圧も下がっていくのです。これがエクササイズの大きな利益となります。

Credit:pixabay

長い間、こうした現象は運動している最中にしか起こらないと思われていましたが、最近の研究により、運動後でもしばらくの間は、血管拡張と血液循環が高い状態で保たれることが分かってきました。

そして、この効果を持続させているのが口内にいるバクテリアだというのです。

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