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「太陽系規模の砂嵐」が地球に氷河期をもたらし、生物を多様化させたという壮大な新説が登場 (2/2)

2021.01.27 Wednesday

2019.09.21 Saturday

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宇宙規模の砂嵐

Credit:depositphotos

この問題について、今回の研究の発表者であるBirger Schmitz氏が新しい見解を示しています。

それは小惑星崩壊で撒き散らされた粉塵が太陽系を広く包み込み、その塵が地球への太陽光を遮ったために寒冷化が起こったと言うものです。

この事実を示す証拠は、スウェーデンからロシアに渡る地域で見つかる、オルドビス紀の海底堆積物から明らかになるといいます。

ここから研究者たちは130以上の20cm以下のサイズの化石隕石を発見しましたが、1つの化石隕石を除き全ての隕石がまったく同じ組成のものでした。これはこれらの隕石が全て4億6600万年前に崩壊した小惑星の欠片であることを示しています。

そして、これらの細かな隕石から分析の結果ヘリウムが検出されたのです。このヘリウムは太陽で生成される物質であり、太陽風が小惑星の作り出した砂塵に衝突し付着したという理由によってのみ説明可能な状況になります。

このヘリウムが付着した細かな塵の存在は、地質調査ではちょうど地球の海面が劇的に低下した時期と一致して降り注いでいたことがわかっています。

これは宇宙空間で、小惑星の砂塵が太陽光を遮り地球を緩やかに寒冷化させていった証拠と考えられるのです。実際この時期の地球は、全体的にゆっくり寒冷化が進んでいたとされており、状況が一致します。

小惑星の衝突で寒冷化と言われると、地球にぶつかった衝撃で地球内部で砂塵が巻き上げられ太陽光が遮られるというシナリオを思いつくのが普通ですが、まさか太陽系が小惑星の破片の塵で覆われ、太陽光が遮られたという説は驚きです。

こんなことが我々が生きている間に再び起こらないよう、祈りたいところですね。

なぜ? 大量の「軽石」がオーストラリアに向かって航海中

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