穏やかな銀河が突然「クエーサー」へと変身! 一体何が起きた?

space 2019/09/25
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Point

■6つの銀河が、突如として「クエーサー」へと変貌する様子が観測される

■変化した銀河はすべて、「ライナー」と呼ばれる比較的穏やかな銀河であることが分かっている

■ライナーのような静かな銀河が、クエーサーへと活性化するには通常、数千年単位の時間がかかると考えられている

穏やかな銀河が突如として「クエーサー」に変貌する様子が、メリーランド大学の研究チームによって観測されました。

天体の変化というのは、一般的に膨大な時間をかけてゆっくりと起こります。例えば、星や銀河の進化は、数千年から数百万年、あるいは数十億年かかることが当たり前です。

クエーサーへの変化も数千年単位で起こるものと考えられていたのですが、今回の観測ではなんと、1ヶ月のうちに変化し終わっているのです。しかも研究チームによると、クエーサーへと変化した銀河は、1つだけでなく6つ同時に見つかっているといいます。

研究の詳細は、9月18日付けで「Astrophysical Journal」に掲載されました。

高エネルギーを発する「クエーサー」とは?

クエーサーとは、銀河の中心で非常に明るい光を放つ天体のことを指します。

クエーサーの放射エネルギーは、太陽のおよそ1兆倍に達するため、宇宙の中で最も明るい天体の1つとも言われています。

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中心部には、これまた太陽の数億倍以上の質量を持つ超大質量ブラックホールがあり、そこに向かって周囲のガスやチリが落下することで、強力なエネルギーが解放されます。

これがクエーサーの莫大な高エネルギーを放つ原因となっているのです。

大人しいはずの銀河が突然…

6つの銀河の発見には、アメリカ・カリフォルニア州にあるパロマー天文台の光学観測器「Zwicky Transient Facility」が使用されました。観測開始から9ヶ月以内に、6つすべての銀河がクエーサーへと変化しています。

変化する前、6つの銀河は「ライナー(LINER)」と呼ばれる状態にありました。正式名称は、少々長いですが「低電離中心核輝線領域(Low-Ionization Nuclear Emission-line Region)」といいます。

ライナーは、全銀河の3分の1を占める割合で存在していますが、中心核の動きは比較的穏やかで静かなもの。これが突如として荒々しいクエーサーに変わったというのですから驚きです。

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研究主任のサラ・フェデリック氏は「発見当初は、観測されたのは恒星が銀河中心のブラックホールに近づきすぎたことで起こるエネルギー放出だと思った」と話します。

ところが後の観測で、穏やかなライナー銀河が突如としてクエーサーへと活性化する様子であることが判明したのです。

原因はいまだに謎

これまでの研究では、静かな状態にある銀河核がクエーサーへと活性化するには、数千年単位の時間がかかると思われていました。

研究チームは、現在、アリゾナ州にある「ディスカバリーチャンネル望遠鏡」を用いて6つのクエーサーを調査していますが、いまだに変貌の原因は謎に包まれています。

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その一方でライナー銀河は、従来考えられていたよりも大きなブラックホールを中心に持てることが判明しています。

「考えられるのは、その周囲にある膨大な量のガスやチリが、急激なスピードで中心のブラックホールに落ち込んでいったということ」だと、フェデリック氏は述べています。

日頃大人しいライナーも、実は「キレたらヤバい」銀河なのかも…?

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reference: newatlass.u-tokyo / written by くらのすけ

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