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探査機「InSight」の火星着陸地 / Credits: NASA / JPL-Caltech
space

真夜中になると火星で発生する「謎の磁気脈動」を発見

2019.09.26 Thursday

Point

■2018年11月に火星に着陸した、探査機『InSight』は、火星の地表で夜間だけに発生する謎の磁気脈動を捉えた

■火星は惑星を覆うような磁場は既に失われているが、部分的には地球の10倍の磁場が確認されている

■今回の磁気脈動は、こうした磁場と太陽風とのもつれによって発生している可能性もあるが、現在のところ原因は不明

火星はかつて、地球と同様に惑星を覆うほどの磁場を持っていたと推測されています。

現在の火星は地殻活動が停止し、磁場のほとんどが失われていますが、地殻の奥にはかつてどれほどの磁場がどの向きに発生していたかという記憶を残した鉱物が残されています

こうした火星内部の調査を目的に、NASAにより打ち上げられたのが探査機『InSight』です。そして今月、その成果の一部が発表されました。

そこではある不思議な現象が報告されています。火星には、夜中になると発生する謎の磁気脈動があるようなのです。原因は現在も調査中ですが、こうしたデータは、火星がなぜ地球とは異なる歴史を歩んだかを知るための手がかりになる可能性があります。

この報告は、2019年9月にスイスのジュネーブで開催された欧州惑星科学会議と米国天文学会の合同学会(EPSC-DPS Joint Meeting 2019)にて発表されました。

InSight Observations of Magnetic Pulsations on Martian
Surface: Initial Findings and Implications
https://meetingorganizer.copernicus.org/EPSC-DPS2019/EPSC-DPS2019-838-1.pdf

火星の内部を調査する探査機『InSight』

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火星探査機『InSight』/Credits: Lockheed Martin

火星は42億年ほど前に地殻活動を停止させ、磁場を失ったと言われています。

磁場の調査はこれまで、遠く離れた地球や宇宙空間から惑星上層の磁気状態を確認するだけに留まっていました。しかし、磁場は惑星の地殻から発生するもので、詳しく知るためには実際地表に降り立って、調べる必要があります。

磁場の直接測定は、惑星の内部構造と組成、そして大気中の帯電ガスの振る舞いまで実に多くの情報を与えてくれます

探査機『InSight』は、こうした磁場の情報を含め火星内部の様子を調査する目的で打ち上げられ、2018年11月に火星へ着陸しました。

着陸からまだ1年も経過していないため、『InSight』のもたらした情報については、細かい精査や分析は完了していません。

しかし、『InSight』は火星の地下から過去の観測の20倍近い強い磁場が出ていることや、地下4kmほどに導電層があるなど、興味深い発見を数々報告しています。導電層は、地下水が存在する可能性を示唆しているものかもしれません。

そして、『InSight』の報告では、奇妙なことに、周辺の地殻磁場が夜間にだけ振動しているというのです。

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