寿命が1.5倍に! 3つの薬を組み合わせてハエの寿命を伸ばすことに成功、ヒトにも応用可能?

medical 2019/10/02
Credit: depositphotos

Point

■ショウジョウバエにリチウム、トラメチニブ、ラパマイシンを組み合わせて投与すると、寿命が約1.5倍に延びることが判明

■低用量の薬品有効成分を複数組み合わせた医薬品「ポリピル」が、ヒトの寿命延長にも寄与する可能性

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気分安定薬、抗がん剤、免疫抑制剤―。本来はそれぞれ異なる目的で用いられる3つの薬剤ですが、それらを組み合わせることで寿命が変わってしまうようです。

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンとマックス・プランク研究所が行った調査で、ショウジョウバエに3つの薬剤を組み合わせて投与することで、その寿命を1.5倍近く延ばせることが明らかになりました。ヒトの寿命の延長にも応用できる可能性があるとのことで、注目を集めています。

調査の目的は、永遠の命への鍵を見つけることではなく、人々が健康で長生きすることを助けるために、加齢のメカニズムを理解することでした。論文は、雑誌「Proceedings of the National Academy of Sciences」に掲載されています。

A triple drug combination targeting components of the nutrient-sensing network maximizes longevity
https://www.pnas.org/content/early/2019/09/26/1913212116

気分安定薬+抗がん剤+免疫抑制剤の相乗効果

3つの薬剤とは、気分安定薬「リチウム」、抗がん剤「トラメチニブ」、免疫抑制剤「ラパマイシン」のこと。各薬剤はいずれも医療現場ですでに用いられているため、人体への使用が安全なことが分かっています。

そして今回、チームがこの3つの薬剤を組み合わせてショウジョウバエに投与した結果、寿命を通常の48%も延ばせることが明らかになったのです。

加齢に伴う疾病の予防の鍵を握る「ポリピル」の存在

今回の発見は、低用量の薬品有効成分を複数組み合わせた医薬品である「ポリピル」が、加齢に伴う疾病の予防に将来的に役立つ可能性を示唆しています。

また、これら3つの薬剤に限らず、他の薬剤と組み合わせることでもさらなる効果が狙えるかもしれません。

研究チームは今後、これらの薬剤を組み合わせた時、具体的にどのように相互作用しているのかを解明する計画です。同時に、マウスなどのより複雑な動物を用いた試験も行って体全体への影響を調べた後は、最終的にヒト試験の実施に繋げたいと考えています。

ショウジョウバエに見られた効果と同程度の効果がヒトにも見られるかどうかは現段階では分かりませんが、仮にヒトの寿命が1.5倍に延びるとして単純計算すると、日本人の平均寿命は男性で122歳、女性で131歳程度になもなります。人々の一生の過ごし方は、まるで様変わりするでしょうね。

研究チームの今後の調査に期待しましょう。

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reference: reuters / written by まりえってぃ

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