日照時間が少ない国ほど「黄色」が人を幸せにする

society 2019/10/07
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Point
■世界中の多くの人々が「黄色」というカラーを「ポジティブな感情」と結び付けて考えている■しかし国によって傾向は異なり、赤道から遠い日照時間が少ない国ほど、黄色をポジティブな感情と結びつける人の割合が高いことが分かった■両者の間で最も相関関係が高かった指標は「年間総降水量」と「赤道からの距離」の2つ

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幸福や楽しさなど、ポジティブな感情と結び付けられることの多い「黄色」ですが、新たな研究により、その傾向が国ごとに異なるといった興味深い結果が示されました。

研究は「Journal of Environmental Psychology」に掲載されています。

The sun is no fun without rain: Physical environments affect how we feel about yellow across 55 countries
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0272494419303469

北欧の人は太陽が恋しい?

住む環境によって、人間がよく目にする色は異なります。たとえば寒冷で雨の多い北欧フィンランドのような国と、国土のほとんどをサハラ砂漠が占めているようなアフリカの国であれば、そこに暮らす人々が毎日目にする色の違いは歴然です。

研究者たちは、それでもなお「黄色」が人類に共通するハッピーな感情を喚起するカラーとして受け入れられているものなのかを調査しました。

研究では、55カ国6625名の人々に、12の色を「喜び、恐れ、恥」などといった感情と結びつけてもらうテストをおこなっています。下の図が、その中でも人々が黄色とポジティブな感情を結びつけた割合を国ごとに示すものです。

Credit: A. CUADRA/SCIENCE

塗りつぶされた色が濃い国ほど、人々が黄色をポジティブな感情と結びつけた割合が高い国になります。

ここに興味深い傾向が浮かび上がります。それは、図の中の赤道(点線)から遠い、日照時間が少ない国ほど、色濃く塗りつぶされている傾向にあるといった点です。

黄色は日光で十分

たとえば赤道に比較的近いエジプトでは、黄色をポジティブな感情と結びつけた人々の割合がたったの5.7%であったのに対し、寒々としたフィンランドでは同じ感覚を持つ人が87.7%もいたのです。

緯度でみたときに両者の間に位置し、比較的温暖な気候の土地が広がるアメリカでは、その数値が60~70%とやはり間の数字が表れています。また、温暖な気候を持つ日本も、アメリカと同様60~70%といった数値であることが分かります。

Credit: pixabay

これに気がついた研究者たちは、具体的にどのようなファクターが「黄色=ポジティブ」に結びついているのかを調査したところ。2つの相関関係が高い指標を発見しました。その2つは「年間総降水量」と「赤道からの距離」です。

研究チームはさらに、季節による感覚の違いについても調査しました。その結果、夏よりも冬のほうが黄色を好むといった国もありましたが、基本的には年間を通して意見が変わることはなかったとのことです。

やはり黄色は「太陽」の象徴する色であり、太陽をありがたがっている国ほどこの色をポジティブな感情に結びつけていることが考えられます。逆に赤道に近い国々は、「太陽よ、遠くに行ってくれ」とでも思っているのでしょうか。その間のちょうどいい気候を持つ日本に住む私たちは、ひょっとすると幸せな国民なのかもしれません。

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reference: sciencemag / written by なかしー

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