人間顔負けのアーティスト。動物がつくる「不思議なアート」10選

animals_plants 2020/06/09
credit: ZME Science

動物はときに、驚くほど複雑な習慣を持っていたり、人間からみて「アート」としか思えないものを作り上げたりします。

ここでは、そんな動物たちによる驚くべきアート10選を紹介。あなたの知らない動物の世界を少しだけ覗いてみましょう。

1.クモのおとり

Credit: Lary Reeves via Wired

ペルーのアマゾン熱帯雨林で、非常に手の込んだ巣を張るクモが発見されました。巣そのものは珍しいものではありませんが、なんとこのクモは、そこにフェイクの「自分自身」を上手に作り上げて張り付かせるのです。

ゴミグモ属であると考えられるこの新種のクモは、がれきや草木、さらには昆虫の死骸まで利用して自身のレプリカを完成させます。

研究者たちはこの行動の目的について、彼らが「おとり」を作っていると考えているとのこと。つまり、自らが捕食されないためにニセの自分を作り上げ、捕食者の目を欺こうとしていることが考えられるのです。

2.フグのサークル

Credit: BBC Earth – Life Story

1995年に日本で奇妙な模様のサークルが見つかりました。ダイバーたちが見つけたこのサークルの原因は、10年以上にわたって謎に包まれたままでした。

2013年に研究者たちが、ついにこの模様の秘密を突き止めます。なんとこの見事な模様は、新種のフグによって作られたものであり、メスを引きつけるためのものであることが分かったのです。

オスのフグが上手にヒレを用いてこの模様を海底に描き出します。フグの体長はおよそ5インチ(約13センチメートル)であるにもかかわらず、円の直径はおよそ7フィート(約2メートル)にも達します。

そしてサークルが完成すると、メスがそれをチェックします。もしメスがパターンを気に入れば、それを描いたオスと一緒に同じ模様をもう一度再現します。ちなみにメスが模様のどこに着目しているのかは、いまだに分かっていません。

3.ニワシドリの巣

Credit: Wikimedia Commons, Pixabay

オーストラリアとニューギニア島には、一風変わった鳥が生息しています。ニワシドリとして知られるその鳥は、名前が示すとおり、手の込んだ作品を作ることができる「庭師」なのです。

これはニワシドリの求愛行動であり、オスが魅力的な通路を作ることでメスの目を引こうとします。中には緑の葉を用いるなど、通路をカラフルに彩るニワシドリもおり、それぞれの個体がそれぞれの美学を持っているとされています。

4.グレート・バリア・リーフ

credit: Wikipedia Commons

オーストラリア北東部に広がるグレート・バリア・リーフは、有機生命体が形成する単一のコロニーとしては世界最大のサイズを誇ります。中国の万里の長城よりも大きなグレート・バリア・リーフは、宇宙から確認できる唯一の生物群としても知られています。

グレート・バリア・リーフを構成するのは数十億もの小さなサンゴやポリプであり、それらがサンゴ礁を形成しています。絶滅危惧種を含む海洋生態系を健全に維持する働きがあり、ミンククジラやザトウクジラの住処でもあります。

そこでは魚やウミヘビの種類も豊富であり、海洋だけでなく、陸地に生息する鳥や多くの動物が関わる生態系を支える機能も果たしています。

5.シロアリ塚

Credit: Wikimedia Commons

シロアリは建築のプロです。洗練されてイノベーティブな、シロアリが作った高層ビル群のようなこれらの建築物ですが、興味深いことに彼らはこの中には暮らしていません。

彼らはこのマウンドの地下に暮らしており、これほどまでに巨大な塚を作るのは、グンタイアリをはじめとした脅威から身を守るためであるとされています。

また、巣の気温をコントロールするためにデザインされたという説もあります。さらに最新の研究では、この塚の主要な機能の1つは二酸化炭素と酸素の交換を促すといったものとされています。

2015年の研究では、2200年以上前の廃墟と化したシロアリ塚が見つかっており、別の研究では少なくとも750年前に建築されたものが見つかっています。この事実から、これらの高層ビルが数千年にわたって形を残すほどに頑丈であることが分かります。

6.クモの巣ツリー

Credit: Wikimedia Commons

2010年にパキスタンを襲った前代未聞の豪雨は、大洪水を引き起こします。街は水浸しとなり、時間が経っても水が引く気配はありませんでした。

なんとか水に飲み込まれずにすんだクモたちが逃げ場所にしたのが「木の上」です。そして、そこで数え切れないほどのクモが巣を張った結果、おぞましい見た目のゴースト・ツリーが出来上がりました。

これにより日光が遮られ木々は死に絶えていきましたが、付近の蚊の多くがこのトラップに捕らえられたようで、マラリアのリスクが減少したとのことです。人間万事塞翁が馬といったところでしょう。

7.ハタオリドリの巣

Credit: Wikimedia Commons

その多くがアフリカに生息するハタオリドリは、非常に込み入った巣を作ることで知られています。オスがメスを引きつけるために巣を作り、その素材には植物の繊維や小枝が用いられます。

まず巣の材料を集めると、彼らはそれを器用に織り込みながら理想のデザインに近づけていきます。中には「小部屋」が用意されている巣もあり、そこが「子育て部屋」であると考えられています。

巣が完成すると、オスは翼を羽ばたかせて「オープン・ハウス」を宣言。そしてメスが巣を気に入れば、そこに卵が産み落とされます。

夫婦専用の「愛の巣」を作るハタオリドリが大多数ですが、数百匹の共同作業で巨大な巣を作り、1つの大きなコミュニティが形成される場合もあるようです。

8.ビーバーのダム

Credit: Wikimedia Commons

げっ歯類のエンジニアとして知られるビーバーは、木の枝を使って川の流れをせき止め「ダム」を作ります。

そうして川の中に作られた池の中に、ビーバーは家族で暮らせる巣を建築します。巣の入口を水中に設けることで、これがクマやコヨーテなどの天敵から身を護るシェルターとなるのです。

ダムの長さはおよそ3フィート(約1メートル)~1500フィート(約450メートル)と幅広く、カナダのウッド・バッファロー国立公園にはなんと2790フィート(約850メートル)の長さを誇る巨大なものがあります。

NASAの3D地球儀アプリ『NASA World Wind』の写真をみると、1975年にはそのダムは存在していませんが、それ以降の写真では存在が確認できるようになりました。

9.ドロバチの監獄

Credit: Wikimedia Commons

ドロバチは世にも珍しい円筒形の巣を作る昆虫であり、中にエサとなるクモを貯蔵。子どもたちのために大きなクモではなく、小さなクモをおよそ20匹詰め込みます。

クモを捕らえるためドロバチは針を刺しますが、その毒でクモは麻痺するだけであり、生きたままで巣に保存されます。

さらに麻痺したクモの上に卵が産み付けられると、ドロバチは巣を泥のキャップで塞いでしまいます。そこで卵から孵った幼虫は、巣の中で安全に冬を越すことができるのです。

10.花のサンドイッチ

Credit: J G Rozen from the American Museum of Natural History

新進気鋭のアーティストの作品のようにみえるこれらですが、実はオスミア・アボセッタ(Osmia avosetta)と呼ばれるミツバチの一種の巣であり、花びらが3層にわたって重なり合ってできています。

花びらの間にはサンドイッチのように泥が塗られており、巣の中心部にハチの幼虫がいます。オスミア・アボセッタは、卵が孵る前に花蜜や花粉を内部に残しておき、最後に花びらで巣にフタをします。

巣1つにつき、中にいる幼虫は1匹のみ。トルコとイランで別々のチームがこの巣を発見しましたが、地域によって特徴があることも分かっています。

トルコのハチは黄色、ピンク、青、紫といった色を選ぶ傾向があった一方で、イランのハチは紫の花びらのみを使っていたとのことです。

気絶する客も…世界一危険な「殺人植物園」とは

reference: unbelievable-facts / written by なかしー
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