「中指で指されると死ぬ」という民間伝承
アイアイは、細長い中指を駆使して、木の中に潜む昆虫をほじくり出しエサにします。
まず音に敏感な耳を使って、木の中をうごめく昆虫を探知し、次に齧歯類のような鋭い歯で樹皮をかじって中指を突っ込むための穴を作ります。中指には、人間の肩に似た球関節とソケット関節があり、このおかげで狭い穴の中でも複雑な動きが可能です。
指先には、獲物を捕らえて引き抜くための鉤爪も付いています。
マダガスカルの古い伝承によると、アイアイの中指は「死のシンボル」と考えられています。
原住民たちの間では「アイアイに中指で指された者は死ぬ」というデスノートのような迷信が本気で信じられていました。そんな理由から、アイアイは悲劇的にも、地元住民に見つかると殺処分対象となり、徐々に数を減らしていったのです。
また、昨今の温暖化も重なり生息域も減っており、専門家の推定では、野生に残っているのは1000体にも満たないんだとか。現在、アイアイはマダガスカルの絶滅危惧種に指定されています。