目の不自由な人に「表情」を伝えるデバイスが開発される

technology 2018/03/29
Credit:PLOS ONE

視覚に何らかの障害を抱える人にとって、画期的なデバイスが開発されました。

Conveying facial expressions to blind and visually impaired persons through a wearable vibrotactile device
http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0194737

目の不自由な方のコミュニケーションをより円滑にするために、オランダのトゥウェンテ大学の研究チームが表情から感情を読み取って、振動で伝えるデバイスを開発しました。実験では、視力障害や視野障害、光覚障害などの様々な視覚障害を持った被験者がこのデバイスを利用。その結果、デバイスを利用しないときと比べて表情の識別率を大幅に向上させることに成功しました。

Credit: Pixabay

開発されたデバイスは「帽子」と「腹巻き」の2つのパーツから構成されます。カメラが取り付けられた帽子で目の前の顔を読み取り、腹部と背部を覆う腹巻きに振動を与えます。ポジティブな感情を読み取ったときに腹部が振動し、ネガティブな感情の場合には背部が振動するようになっています

また、感情の判別には、ニューラルネットワークを用いた人工知能を利用しています。この人工知能は、怒り、嫌悪、喜び、不安、驚き、悲しみの6つに感情を分類することができます。

実験では、視覚に障害のある人とない人は2つのグループに分けられ、それぞれデバイス装着時と通常時で人間の表情を読み取るテストを行いました。実験は、人の「写真をみる」「音声のない動画をみる」「音声付きの動画をみる」といった3つのシチュエーションに分けて行われました。その結果、いずれの場合においても両グループにおいてデバイス装着時の正答率が上昇しました。特に、視覚に障害のあるグループでは、正答率が平均して44%も上昇しました。

Credit:PLOS ONE / 健常者と視覚障害者の3パターンのテスト正答率変化を表すグラフ。SP(Sighted Persons)は健常者を、VIP(Visually Impaired Persons)は視覚障害者を指す。

研究チームは、このデバイスを日常生活で活用するために、さらなる機能の充実や、見た目や重さなどのデザイン面においても改良が必要であると述べています。

 

テクノロジーの力でバリアフリーが進んでいます。このようなニュースがもっと増えると嬉しいですね。

 

via:PLOS ONE/ translated & text by Nazology staff

 

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