暗黒物質がない銀河を発見、逆に暗黒物質の存在を証明へ

space 2018/03/29
Credit: Pixabay

ハッブル宇宙望遠鏡やハワイの天文台の研究により、暗黒物質(ダークマター)を含まない銀河が発見されたことが、Nature誌で報じられました。

A galaxy lacking dark matter
https://www.nature.com/articles/nature25767

この銀河はNGC 1052-DF2と名付けられた銀河で、くじら座の方向の6500万光年にあります。この発見は、見ることのできない暗黒物質の存在を逆に支持していると同時に、銀河の形成に関して、暗黒物質の引力が鍵であるとする従来の予測を覆す可能性があります。

そもそも暗黒物質とは、銀河の回転速度がニュートン力学で予測されるよりも早いことから存在が予測されている物質。研究者たちは、「宇宙には見えないが重力を持つ物質がある」とすることで、銀河の持つ重力を光学的に観測できるものよりも重く見積もり、速度の問題を解決しているのです。ただ、速度の問題はニュートン力学を修正することで解決できるとする研究者もおり、いまだ暗黒物質は、理論上仮定される物質でしかありません。また、暗黒物質が集まって出来た重力に引き寄せられた物質で銀河ができるとされています。

Credit: Gemini Observatory / NSF / AURA / W.M. Keck Observatory / Jen Miller / Joy Pollard

今回の研究では、研究者たちがNGC 1052-DF2を長期に渡って観察し、その回転速度がニュートン力学で予測されるものとぴったり合うことを発見しました。つまり、この銀河の動きは他の銀河と違って、「暗黒物質を持たない」としなければ説明できません。ニュートン力学を修正してしまうと、この銀河の動きの説明が難しくなるのです。暗黒物質が無いとニュートン力学に沿った動きをするということは、ニュートン力学は正しく、他の銀河は暗黒物質を持つことでニュートン力学に従うということになります。

また、この銀河が暗黒物質を持たないとすると、新たな疑問が生じます。なぜ暗黒物質がないのに、この銀河は出来たのかという疑問です。通説では、「銀河は暗黒物質の塊に引き寄せられた、通常物質によって出来た」とするのが通説となっているからです。暗黒物質の存在がより現実的となった一方、銀河の成り立ちの謎は一層深まったといえます。

 

もしや暗黒銀河? 奇妙な「からっぽ」の銀河が6つ発見される

 

via: Live Science, Nature / translated & text by Nazology staff

 

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