【実験】魔法のように色が変わる「ハロウィン料理5品」に挑戦、驚きの結果は? 変化の比較と徹底考察

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今年もハロウィンの季節がやってきました。

イベントの日というと、それにまつわる料理はつきものですよね。自宅でパーティーをする方もいらっしゃることでしょう。

ハロウィンらしい料理って何かあるかな…と考え、「魔法のように色が変わる料理」を作ろうと思いました! 以前の記事で「色が変わる鉱物」を取り上げましたが、色が変化するって驚きと楽しさがありますからね。できれば、食べているときにぱっと色が変わるのが理想です。

色が変わる食材と、色変わりの理由

今回、メインで使用する食材は以下の3点。

・紫キャベツ

・紫イモ粉

・バタフライピーティー(「バタフライピー」という花のお茶)

紫キャベツ。串刺しにしているのは、生長点を阻害すると鮮度が保てるから。

いずれもアントシアニンという色素が含まれる食材です。アントシアニンは酸性では赤色アルカリ性では青色が強くなる特性を持ちます。溶液中のpHを測るために使われる、リトマス紙と同じような仕組みです。リトマス氏の原料は、食材ではなくてリトマスコケという苔ですけどね。

このリトマスコケからとった色素がpHに反応して色が変わる現象は、1300年頃、スペインの錬金術師によって発見されたそう。このいきさつも魔法っぽくてハロウィンにふさわしいかも。

pHは溶液の酸性度・アルカリ度を示す指数(水素イオン濃度)で、0~14の値をとります。7が中性で、7より大きいとアルカリ性、小さいと酸性になります。

ちなみに、40代以上の人はpHを「ペーハー」、30代以下の人は「ピーエイチ」という呼び方で習っていることが多いので、年齢がわかる「リトマス紙」に。年齢をサバ読みしている方は要注意…。

バラフライピーティー

さて、料理サイトのレシピなどを参考にした結果、メニューは以下の5品に決定しました。

・紫キャベツ:怪しい紫色からピンクになるシチュー

・紫キャベツ:たれをつけるとピンクに。色変わりシュウマイ

・紫キャベツ:食べ物か脳が疑う? 青い色の焼きそば

・紫イモ粉:SNS映えする…かも?青緑色で蛍光ピンクの絵が描けるホットケーキ

・バタフライピーティー:青から赤紫へ。鮮やかな色変わりゼリーを作ろう

調べてみたところ、ハロウィンメニューを目的として、色が変わる料理のレシピがいくつかありました。しかし、どのくらいのスピードやレベルで変色するのか、感動の度合いとコスパは見合うのかといったことはわかりませんでした。

そこで、実際に試した結果や、そこからの考察により、もっとも効果的に見せるにはどうすればいいかどれがパーティメニューにふさわしいのかなどを考えてみたいと思います。はたして、狙いどおりになるんでしょうか。

1:怪しい紫色からピンクになるシチュー

材料(約4人分)

紫キャベツ(1/6)、ベーコン(1パック)、玉ねぎ(1/2)、ジャガイモ(1個)、ニンジン(2/3)、シチューのルウ(4皿ぶん)、牛乳(約200ml)

作り方

まずは、怪しい色のシチューを作ります(参考レシピ:ACOGARDEN / cookpad)。

基本的にシチューのルウのパッケージに書いてある作り方にならいます。ただ、色素をよく出すべく、紫キャベツを1cmくらいの幅に切り、水を鍋に注いだ段階で投入し、よく煮込みました。

また、ハロウィンらしくジャガイモとニンジンは、お化け、猫、コウモリの型で抜きました。ジャガイモのお化けはわかりにくいですが。

ルウと牛乳を入れて混ぜると、昔懐かしい『ねるねるねるね』のCMみたいです…。「イーッヒッヒッヒ」と言いたくなるかも。

サバト」っぽさもある?

できあがりの印象

盛り付けたときの見た目のインパクトは、個人的にはそれなりだなという印象。牛乳が中性なので、青色や赤色に偏らず、紫色になりました。

シチューだとベースが牛乳です。ミルク系のスイーツで、紫っぽい色をつけることってありますよね。シチューとすると違和感がある色ですが、まだ食べ物だな…と脳が認識します。

色はどう変わるか?

100円ショップでもよく売っている、レモン汁風の調味料を垂らしてみました。5分ほどたつと、垂らした部分が蛍光ピンク色に。

ニンジンの間の部分が蛍光ピンクに。もう少し紫キャベツを入れたら良かった。

考察とパーティメニューにするポイント

大量の水分に対して、紫キャベツの色素で色をつけなければなりません。せっかくの着色が薄く広がってしまうので、おどろおどろしい濃い色を求めるには、かなり多めに紫キャベツが必要です。作るときは魔女っぽくてテンションが上がりますが、コスパ感はいまひとつ。味は、ほぼロールキャベツ入りシチューです。

色変わりに5分ほどかかるので、ぱっと色が変わって驚かせることはできません。それぞれのお皿に盛りつけてところどころ装飾のために変色させておくという使い方が良さそうです。冷めるので、食べる直前にレンジで温め直すか、冷製ポタージュなどにすると美味しく食べられるでしょう。

演出するなら、今回のように野菜を生き物の形にして、レモン汁で血しぶきのような演出をするのはいかがでしょうか。あるいは、事件現場の絵にするとかですかね。

2:たれをつけるとピンクに。色変わりシュウマイ

材料(約15個ぶん)

紫キャベツ(1/6)、玉ねぎ(1/4)、豚ひき肉(250g)、かたくり粉(大さじ1)、シュウマイの皮、砂糖(小さじ1)、酒(小さじ1)、ごま油(小さじ1)、塩コショウ(適宜)

作り方

紫キャベツを刻み、塩小さじ1(分量外)を加えて置いておいてしんなりさせます。その間に玉ねぎを刻み、かたくり粉をまぜておきます。豚ひき肉に紫キャベツを混ぜ、玉ねぎと各調味料もまぜて練ったあと、丸めていきます(参考レシピ:Rie♪♪♪/ cookpad)。

今回、シュウマイの皮は短冊状に切って包むようにしました。中の具材の紫キャベツがよく見えるようにというのと、皮に紫キャベツから色が効率よく移らないかなと思ったためです。

シュウマイを耐熱容器に並べ、ラップをかけてレンジで加熱します(500Wで3分30秒ほど)。

できあがりの印象

普通に色がきれいなシュウマイで、香りからして食欲をそそります。見た目のインパクトは殆どなし。味は文句なく美味しいです。

色はどう変わるか?

シュウマイの定番、酢醤油につけて変色させることにしました(酢の割合が多いです)。地方によってシュウマイにつけるものは違って、関東だと醤油が定番で、酢醤油は西のほうが多いようなのですが、今回は見やすいので酢醤油を採用します。

これも想像通り、色が変わるのに5分ほど置いておく必要がありました。また、酢醤油につける前のシュウマイと並べるとピンク色が増したことはわかるものの、人を驚かせるレベルにはいまひとつ。

考察とパーティメニューにするポイント

ひき肉なのでいろいろな形に形成できるため、チーズ、かにかま、のりなどで、いろいろなモンスターに装飾するといったひと手間を入れたほうがいいでしょう。色変わりを演出のメインにするには弱いです。

また、シチューと同様、あらかじめ変色させておきたいものに酢醤油をつけておいて、変色していないものを一緒に並べるということが必要だと思います。

レンジ調理なので、作るのが時短で楽なのと、普段の酢醤油がそのまま使えて、変わった味付けをしなくていいのはメリット。辛子はお好みでつけて食べましょう。

3:食べ物か脳が疑う? 青い色の焼きそば

材料(約2人ぶん)

紫キャベツ(1/6)、玉ねぎ(1/4)、ピーマン(1/2)、ニンジン(1/4 ※シチューで余った一部)、ソーセージ(小10本ほど)、焼きそば用の蒸麺(1玉)、油(適量)

作り方

麺のパッケージに書いてあるように、フライパンに油をひいて、野菜と麺を炒めます。ただし麺に色をつけるため、キャベツの食感の良さよりも、色素の抽出を優先します。野菜が多いので、パッケージに書いてある量より水は少な目にしたほうが良いでしょう。

本来は野菜を先に炒めて麺をいれるときに水を入れますが、色素を出すために野菜を炒めるときに水を入れてしまいます(参考レシピ:スタイリッシュママ / cookpad)。

麺に含まれる「かん水」がアルカリ性なので、麺が青くなるのが特徴。ソースをつけると酸性になってしまうので、使いませんでした。味付けををするなら、最後に塩こしょうやごま油か、最初に炒めるときにニンニクや鷹の爪を加えて、ペペロンチーノみたいにすると良いでしょう。

できあがりの印象

良い感じに食欲の湧きにくい姿の焼きそばになりました。やはり、青い色が与えるインパクトは強いと思います。自然界には青い色の食べ物が殆どないため、脳が食べ物と認識せずに食欲が減退すると言いますよね。それを利用した、青いダイエットふりかけなんてありましたし。

それに、紫キャベツから効率的に色づけができることと、具材次第でカラフルにできることなど、コスパもいいと思います。コーンを入れると、色の対比でより青が引き立ちそうですね。

味に関しては、どうしてもよく炒めるので、柔らかめの仕上がりになります。

色はどう変わるか?

今回は味付けをしなかったので、つけ麺のようにしたらどうなるか試してみました。ソースにつけてみると、はっきりとした青色はすぐに消えて、ほんのりと青色が残ったあと、じわじわと黄色っぽくなりました。

それから、レモン汁と塩こしょうを混ぜた塩レモンだれにつけてみたところ、5分くらいたつとピンクっぽい色に変色しました。

考察とパーティメニューにするポイント

食べるときに色がすぐに変わる、というのはつけ麺ぽくするとできますが、濃い青が薄くなる感じで、狙っていたピンク色にはすぐに変化せず。また、冷めると味としてはイマイチで、やはり温かいほうが焼きそばは美味しい!

そこで、ホットプレートを使って、ワイワイ作りながら食べるのがおすすめです。作っているときに麺が青くなって驚かせたあと、「心配不要」とソースを入れて色を戻してマジックのように見せることもできますし、あらかじめ半分は塩レモンだれを入れてピンク色にして、青と2色の麺で楽しむのもいいと思います。

炒めるときにソースを入れると一気に色が戻る。
ピンク、青、ソースで黄色っぽく戻った3色の焼きそば

4:SNS映えする(かも)青緑色で蛍光ピンクの絵が描けるホットケーキ

材料(約4枚ぶん)

ホットケーキミックス粉(200g)、卵(M1個)、牛乳(200ml)、紫イモパウダー(20g)、油(適量)

作り方

まず断っておきますが、これは失敗ケースです。ホットケーキミックスと紫イモ粉を混ぜ、卵を入れて混ぜ、牛乳を加えたものを熱したフライパンで焼きました。

できあがりの印象

「青いホットケーキ」を作るのが狙いだったのですが、紫色になってしまいました

色はどう変わるか?

砂糖と刻んだレモンを煮たてたところにハチミツを加えて作成した、ハチミツレモンシロップをつけてみました。すると蛍光ピンクに変わりましたが、やはり青色から蛍光ピンクに変わって欲しいもの。

なぜ失敗したのか?

このメニューの狙いは、ホットケーキミックスに含まれる「ふくらし粉」、ベーキングパウダーを利用して青くすることです。ベーキングパウダーの成分、炭酸水素ナトリウムを加熱すると、水と二酸化炭素と炭酸ナトリウムが発生します。

気体である二酸化炭素がホットケーキを膨らますわけですが、炭酸ナトリウムがアルカリ性が高い物質で、アントシアニンを青く変色させます。恐らく中性の牛乳を入れたため、アルカリ性が低くなってしまったのでしょう。ちなみに、全卵は弱アルカリ性なので、あまり影響を与えていなそうです。

次は、リベンジです。

材料(約2枚ぶん)

ホットケーキミックス粉(100g)、水(200ml)、紫イモパウダー(10g)、油(適量)

作り方

さきほどと同様に、材料を混ぜ合わせて、焼きます(参考レシピ:化学だいすきクラブ)。

なるべくpHに影響を与えないように、卵も入れず水にしました。参考サイトよりも水を多くしたのは、紫イモパウダーを入れると生地が粘っこくなり、お玉で流し込むのが難しいからです。

なお、水は地域によって硬度が異なるので、硬度が低いところはミネラルウォーターでも販売されている、アルカリイオン水を使ったほうが安心です。沖縄はサンゴ礁に囲まれているために水道水のミネラル分が多く、硬度が高いですよね。

水分を入れたら、炭酸水素ナトリウムの反応がすぐに始まるので、素早く生地を投入しましょう。

できあがりの印象

焼けていくうちに加熱される部分から、青緑色にどんどん変色

自然のものなのに、ケミカルな感じの求めていた色合いのホットケーキが完成!

色はどう変わるか?

型をホットケーキの上に置き、先ほどのハチミツレモンシロップをはけで塗ってみました。

色はじょじょに変色していき、きれいに絵が描けました。絵だけでなく、文字を書くこともできますよ。

考察とパーティメニューにするポイント

焼きそばと同様、卓上でホットプレートで焼くと盛り上がると思います。

粉と水だけなので味が気になりましたが、卵や牛乳を入れたときのようなリッチな味わいのホットケーキにはならないものの、シンプルに芋の甘味と風味を感じ、予想よりも美味しく食べられました。チーズやハムなどのおかず系ホットケーキにするのに適しているかもしれません。

色変わりは少し待つものの、シチューや焼きそばより冷めても味は落ちにくいのも強みです。そこで、クレープのように作りながら食べると良いかもしれません。おしゃべりしながらなら、やっている間に色が変わってくれそう。人によって個性が出せるのも、盛り上がるポイントになりますね。

注意点は、熱伝導率の高い鉄のフライパンを使うと綺麗に表面がこんがり焼けてしまうこと。普段なら喜ぶべきことですが、テフロンのフライパンでもかなり焼き色がきれいについてしまい、色がわかりにくくなったので、弱火で温度むらがあるくらいの方がいいのではないかと思いました。

よって、盛り付けるときは切って断面を見せました。青緑にほどよく蛍光ピンクが入ってよい感じです。

5:青から赤紫へ。鮮やかな色変わりゼリーを作ろう

材料

バタフライピーティー(花10個ぶん)、水(250ml)、砂糖(大さじ1)、粉ゼラチン(5g)

作り方

水を沸騰させたら、ごく弱火にしてバタフライピーティーを入れて、色を抽出します。花をこした液に(ティーパックの場合は不要)砂糖を溶かしたら火をとめて、粉ゼラチンを入れて溶かし(沸騰させない)、あら熱がとれたら容器に流し込み、冷蔵庫に入れて冷やし固めます。

できあがりの印象

鮮やかな青いゼリーに。着色料ではなく、天然の色でここまで鮮やかな「青」になるのは、ちょっと感動ものです。

色はどう変わるか?

ホットケーキに使った、ハチミツレモンシロップをかけてみました。予想と期待としては、ピンク色に変わっていく…だったのですが、変色せず! 残念ながら、失敗です。ぐるぐる混ぜてもダメでした。

なお、バタフライピーティーを飲んだことがない方もいると思いますが、バタフライピーティー自体の味はほとんどないので、シロップのままの味になります。

ただ、「ピー(pea)」という名前のとおり、マメ科の花なので、わずかに豆の風味がします。筆者はみつ豆の寒天に似た味わいを感じるので、寒天で固めて黒蜜をかけるのもありかもな…と思います。

考察とパーティメニューにするポイント

なぜ失敗したのか考えてみると、ゼラチンで固めたので、中まで酸性のシロップが浸透しなかったのでしょう。また、きれいな色を出そうと濃く抽出しすぎたのも失敗の要因だと思います。ごく薄い水色くらいにとどめギリギリまでゆるく固めれば変色してくれる可能性はあるかもしれません。

素直にお茶として出すほうがいいかもしれませんね。これなら、ぱっと色が変わりますよ!

もう少し色の抽出をひかえたほうが、より少量のレモン汁で色変わりしたかも。

※動画でリアルタイムで変化を見ると、こうなります(2倍速)

まとめ

以上、5品を作ってきました。最後に、「ハロウィンパーティーセット」として並べると、以下のように。

変が変わる前
色が変わったあと

並べると壮観ですね。ただ、どれを作るのがおすすめか、と言われたら、ホットプレートパーティーセットとして、焼きそばとホットケーキをあげます。盛り上がる演出がしやすいうえ、色変わりの驚き度も高く、手軽に作れますからね。飲み物としてバタフライピーティーをつけましょう。

また、すべてのメニューに言えることは、「色変わり」と「味」のバランスのジレンマです。本来は材料に入れたら味が良くなるものも、pHに影響を与えかねないので、なるべくシンプルにする必要がありました。

どうしても美味しくしたいので、シュウマイにはショウガや醤油を入れたくなりますし、焼きそばやシチューも野菜を増やすほど、変色を阻害するのでは、とドキドキしていました。そしてホットケーキは油断して失敗したわけですが。

そして、いずれも「ぱっと色を変える」というのは難しく、それぞれのメニューに適した使いどころや提供や演出の方法が大事だと感じました。

さておき、ハロウィンに限らずイベントで作ってみると盛り上がると思いますので、あげてきたポイントを参考にしつつ、作ってみてください!

UVチェックできる石って知ってる?色が変化する鉱物の世界

Reference: cookpad, 化学だいすきクラブ, クリタック /written by ofugutan

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