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鳥の卵の色が豊富すぎる謎、新しい研究で判明する (2/2)

2021.01.27 Wednesday

2019.11.01 Friday

前ページ寒い場所では濃く、温かい場所では薄く

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熱を吸収しやすい濃い色が胚の温度を維持

日射量が多い地域では紫外線Bの値も高いものの、研究チームは紫外線量は卵の色と明度に影響を与えていないと見ています。紫外線を防ぐには濃い青緑色がもっとも効果的ですが、これらの地域で実際に繁殖する卵は一般的に淡い色をしていたからです。それに、いずれにせよ卵の殻はそもそも光を通しにくくできています。

卵の色と明度は日光や紫外線の量よりも、気温と関連していると考える方が理にかなっています。寒冷地域では、色が濃く熱を吸収しやすい卵の方が生存に有利です。卵の中の胚はできるだけ一定の温度下に保たれる必要がありますが、それ自体は温度調節機能を備えていないからです。

加えて研究チームは、温暖地域の卵の色と明度に多様性があるのは、熱を吸収することよりも、「菌を寄せ付けない」・「捕食リスクを回避する」・「卵の強度を高める」といった他の因子が関係しているからではないかと推測しています。

この研究は、世界各地に分布する鳥類が、環境の変化に対処するためにいかにして卵の色を適応させてきたかを物語っています。地球温暖化が進む中、気候変動がこうした生物にもたらす影響を知ることは重要です。

画像
Credit: pixabay

一方で、科学者の間では、この研究が卵全体の色と明度にしか焦点を当てておらず、斑や縞模様の量や種類について言及していないことを指摘する声も。斑や縞の入り方も含めたバリエーションを包括的に対象とする調査が、今後の課題と言えそうです。

海中で謎の巨大物質に遭遇! その正体とは?

reference: theguardian / written by まりえってぃ

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