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国際化の弊害?「バイリンガルの認知症」が社会問題になりつつある (2/2)

2021.01.27 Wednesday

2019.11.12 Tuesday

前ページ国際化した社会の認知症

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バイリンガルは認知症になりにくい

ただ、2カ国語以上を操る人たちに対して、ネガティブな情報ばかりが存在するわけではありません。

多くの研究において、バイリンガルの人たちは認知症の発症が単一言語しか扱わない人に比べて4〜5年遅い傾向にあることが報告されています。また、認知能力の加齢による低下の程度が軽度であり、脳卒中後の脳機能の回復も良好であることが示唆されています。

そのため、バイリンガル、マルチリンガルの人たちの方が老後に発生する障害や問題は少ない可能性もあります。

しかし、言語技能の喪失は認知症の一般的な影響の1つであり、その結果生じる課題は、バイリンガル認知症患者の介護においては特に複雑な問題になる可能性が高いと考えられます。

AI技術の進歩により翻訳ツールが現在は高度な進化を続けていますが、研究者たちは政策レベルで早期にこうした問題に取り組んでいく重要性を訴えています。

ピーテル・ブリューゲル『バベルの塔』/Credit:Google Art Project

旧約聖書には、人間が団結して天に届くバベルの塔を建設していることを恐れた神が、意思疎通を図れないように雷を落として人々の言語を分けたという記述があります。国際化の進んだ社会は将来、雷を落とされたバベルの塔のようになる危険性があるかもしれません。

やはり日本語はヤバかった。 世界の言語難易度ランキング(英語圏)

reference:theconversation/ written by KAIN

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