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有害と思われていた太陽風、実は宇宙線から太陽系を守るプラズマバリアだった (2/2)

2021.01.27 Wednesday

2019.11.25 Monday

前ページ太陽風と宇宙線

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灼熱地獄のヘリオポーズ

ボイジャー2号の収集したデータによると、ヘリオポーズの温度は最高で3万1000度に達していたと言います。これはこれまでの天文学モデルが予想していた温度のおよそ2倍に相当するものです。

太陽風と宇宙線の衝突は、予測を遥かに超える激しいものだったのです。

また、ヘリオポーズのプラズマバリアは予想されているほど均一なものではありませんでした。これは細かい穴がたくさん空いたような多孔質の構造になっていて、完全な泡となって太陽圏を包んでいるわけではありませんでした。

ボイジャー2号通り抜けた領域でも、そんな穴を2つ検出しており、そのポイントでは宇宙製のレベルが大幅に高くなっていたと言います。

ボイジャー2号も、こうした穴を抜けることで、燃え尽きずに太陽圏から星間領域へ抜けることができたのかもしれません。

このような作用によって、強烈な宇宙線は30%程度しか太陽圏に入らずにすみます。もし太陽風がなければ、太陽系は星間領域から降り注ぐ強力な宇宙線によって、快適に生活できない空間になっていたかもしれません。

今回の研究で、有害だと思っていた太陽風は、実はもっと強力な宇宙線から守ってくれていたことが分かりました。なんだか敵だったヤツが、さらなる強敵が出てきて仲間になってくれたような頼もしさがありますね。

画像
©バードスタジオ/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

「宇宙の大規模構造」が鍵? 数千光年離れた銀河に謎の「同期」を確認!

reference:NASA,livescience/ written by KAIN

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