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巨大ブラックホールを中心に回る、まったく新しい「惑星」系が存在した (2/2)

2021.01.27 Wednesday

2019.11.26 Tuesday

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どんな惑星が存在するの?

今回想定されているのは、活発な星形成がされている活動銀河核の巨大ブラックホールです。

その中心の降着円盤は、宇宙でもっとも明るい天体クェーサーとして観測されるような非常に遠方の銀河のため、現在の観測技術で、その周囲に浮かぶ小さな「惑星」の存在を確かめる手段はありません

そのためこの「惑星」は、あくまで理論上予想される天体です。「惑星」を検出するためには、新たな観測手段を研究しなければなりません。

しかし、どんな「惑星」になるのか予想をすることは可能です。

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Credit:depositphotos

まず、材料の豊富な場所で生まれているため、地球質量の10倍近い巨大な惑星になる可能性が高いでしょう。質量が大きいため、希薄な大気を纏っている可能性もあるといいます。

ブラックホールの周りを回るとなると、何か強力な重力の影響を受けて突然崩壊したり、相対論的な不思議な効果を受けている可能性も気になります。しかし「惑星」はブラックホールから10光年と非常に離れているため、崩壊するような重力の影響や相対論的な効果を受けることはないでしょう。

ただ、降着円盤の放つ非常に強力な放射線に曝されているため、もし生命が存在したとしたら、全く異なる進化をたどることになるだろうと考えられています。

また、塵(ダスト)は豊富ですが、ガスは希薄な領域のため木星のようなガス惑星が生まれる可能性は低いとのこと。

私たちの属する天の川銀河の中心にも巨大なブラックホールが存在していますが、ここにも「惑星」は存在するのでしょうか?

現在このブラックホール「いて座A*」には、活動銀河核のような豊富なダストは観測されていません。しかし、もし過去に同じ様な環境が整っていたならば、現在はその時形成された大量の「惑星」が回っている可能性もあるそうです。

巨大ブラックホールの様な過酷な環境下でも惑星が形成される可能性が示されたことで、天文学にまったく新しい研究分野が生まれるかもしれません。

降り立ったら太陽の代わりにブラックホールが見える惑星なんて、SF的にはなんともロマンに溢れる存在ですね。

逆回転するブラックホールを発見! 初期宇宙の謎を解く鍵になるかも

reference:CFCA,鹿児島大学/ written by KAIN

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