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バッテリー不要の「ウェアラブル・コンピューター」が開発される

2021.01.28 Thursday

2019.12.04 Wednesday

Credit:University of Waterloo
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  • 指先に装着して、ディスプレイやキーボードに触れることなくコンピューターを操作できるデバイスが開発される
  • ICカードなどに用いられている「RFID」技術を用いることで、外部および内部バッテリーを必要とせず機能する

バッテリー不要のコンピューター・デバイス「Tip-Tap」が、カナダ・ウォータールー大学によって開発されました。

Tip-Tapは、外部および内部電力をまったく必要とせず、指先に装着してコンピューターの操作を行います。タッチパネルやキーボードに直接触れる必要がないため、手が離せない職業には打ってつけです。

外科医や化学者、ジム・インストラクターなど、多方面での活躍が期待されています。

「RFID」でバッテリー要らず

Tip-Tapには、RFID(radio frequency identifier)と呼ばれる技術が用いられています。

RFIDとは、電磁波などを使った無線通信により情報をやりとりする技術で、ICカードやカード・キーなどに応用されています。電磁波の周波数によっては、通信距離を数cm~数mまで伸ばすことも可能です。

研究チームは、このRFIDタグを2つに分割して、親指と人差し指にそれぞれ3つずつ(タグとして)配置します。そして、タグ・ポイント同士を接触させるとRFIDが反応し、バッテリー無しのコンピューター入力が可能になる仕組みです。

Credit:University of Waterloo

Tip-Tapは、主に2つの方法で機能します。

1つは、グローブにタグを取り付けたもので、比較的遠距離(最大4m)で使用できます。もう1つは、指に直接取り付けるもので、近距離での入力操作が可能です。

これらは共に、利用者の手の動き、状況が制限された状態でのシンプルなコマンド操作を可能にします。特に、外科手術では、一早い導入が期待されています。

Credit:University of Waterloo

現在、外科手術では、術中のナビゲーション・システムとしてコンピューター・ディスプレイを用いています。操作は基本的にアシスタントが行い、主治医とコミュニケーションを取るという方法ですが、これでは手術に遅延が発生します。

また、主治医本人が操作するとしても、手袋をいちいち外したり、コンピューターを触るたびに消毒しなければなりません。しかし、主治医自らTip-Tapを着用することで、その場での遠隔操作が可能になり、患者から手を離す必要もなくなります。

Tip-Tapはまだ試作段階ですが、今後、実用化に向けて改良が進められる予定です。

reference: techxploretechnology.org / written by くらのすけ

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